理不尽な世の中を斬る!マイケルの物語・復讐編1
「ゼロの法則」や「運の世界」がストーリー形式で楽しく理解できるようになっています。
1.少年に出会う
A少年-『見ろよ、こいつのスボン、穴があいてるよ。』
B少年-『あっ、本当だ、中のパンツがまる見えじゃないか!』
C少年-『ハッハッハッ、カッコ悪くて、みてらんねぇよ。』
D少年-『おい、俺んちに遊びにこいよ。ズボンならいくでもあるから、めぐんでやるよ。』
E少年-『おい、何とか言えよ!【お願いですから、ズボンを一つめぐんで下さい。】って言ってみろよ!』
A少年-『そうだよ、だまってないで、何とか言えよ!!』
少年-『ズボンなんか、いらないよ。僕につきまとわないで、あっちに行ってくれよ!』
D少年-『おい、ふざけんなよ!スボンをめぐんでやるって言ってるのに、その態度はなんだよ!』
少年-『だって、必要ないから、いらないって言ってるだけだよ。』
E少年-『生意気なんだよ!おい、皆でやっちまおうぜ!』
C少年-『よし!やっちまえ~。』
・・・・・
マイケル-『あれ?あっちの方で騒ぎ声がするぞ。ちょっと行ってみようか・・・。』
少年-『やめろってば、痛いよ。』
A少年-『生意気だから、ボコボコにしてやってるんだよ!』
マイケル-『おい、やめろよ。その子が嫌がっているじゃないか。子供のケンカにしては、やり過ぎだぞ!』
A少年-『うるさいんだよ!部外者はだまっててくれよ!』
マイケル-『でもな・・・。1人に対して5人で手を出すのは、いくらなんでも、ズルいだろ。』
E少年-『オジサンさ~、超ウザいんだけど!あっち行っててくれない?』
マイケル-『オジサンか・・・。俺はまだ、20代だぞ!まあ、小学生の君たちから見たら、オジサンって言われてもしかたがないのかもな・・・。』
C少年-『オジサンさ~、子供のケンカに口出しするのやめてくんない?』
マイケル-『別に口出ししてるわけじゃないよ。1人対5人のケンカじゃ、不公平だろう。だから俺が間に入ってるんだよ。』
D少年-『オジサン、バカだよね!1人対5人のどこが不公平なんだよ!』
マイケル-『そりゃあ、どう考えたって、不公平に決まってるだろ。一人に対して、5人がかりで戦ったら、絶対勝つに決まってるだろうが!』
B少年-『フンッ!何が公平だよ!この世の中は、そもそも不公平にできてるじゃないか!』
A少年-『そうだよ!それにうちのパパは大企業の社長なんだ。でも、隣の家のお父さんは全従業員が5人くらいの小さな会社で働いているらしいよ。大人の社会だって、不公平にできてるじゃないか!』
マイケル-『(ん~、言われてみればそうかもしれないな・・・。大企業と中小企業があるけれど、それはある意味自然なことだよな・・・。でも、やっぱり何か違うよな・・・。)
E少年-『そうだよ!こいつだって、悔しかったら仲間を連れてくればいいんだよ。でも、こいつには誰も友達がいないんだ。』
D少年-『よし、またやっちまおうぜ!』
A少年-『おう!!』
少年-『痛いよ、やめろよ。』
A少年-『あっ、このやろう!抵抗しやがったな!』
マイケル-『おい、いいかげんにしないか!!!彼から手を離しなさい。』
A少年-『オジサン、離せよ!あんまりしつこいと、僕のパパにいいつけるぞ!』
マイケル-『しつこいのは、お前らの方だろ。パパでもママでも婆ちゃんでも呼んでこいよ!ほら、離してやるよ。』
A少年-『痛えな、ちくしょう、覚えてろよ!パパにいいつけてやる。後悔するなよ!』
E少年-『よし、今日はとりあえず帰ろうぜ!』
D少年-『そうだな、また今度にしよう!』
・・・・・
マイケル-『今時の小学生は、生意気だよな!おい、坊や、大丈夫か?』
少年-『うん。』
マイケル-『ケガはなかったか?』
少年-『うん。』
マイケル-『いつも、いじめられているのか?』
少年-『うん。』
マイケル-『あまり、喋らないんだな・・・。』
少年-『だってね、お母さんには、【知らない人に声をかけられても、無視しなさい】って言われてるもん。』
マイケル-『そうかぁ、そういうご時世だもんな。しょうがないかもな・・・。』
少年-『でもね、オジサンは、助けてくれたから、悪い人じゃないと思うよ。』
マイケル-『悪い人じゃないけど、そのかわりバカだけどな。ところで坊やは小学何年生?』
少年-『小学5年生だよ。』
マイケル-『名前は?』
少年-『ジョンだよ。』
マイケル-『ジョンか・・・、覚えやすい名前だな。一つだけ、いい事を教えてあげよう。』
少年-『なあ~に?』
マイケル-『明日、またここで会おう。その時に教えてあげるよ、じゃあな!』
2.宝捜しに出かける
ジョン-『あっ、本当に来たんだね。』
マイケル-『あ~、遅れて悪かったな。そこの駄菓子屋で、お菓子を買ってたら、なんだか懐かしくてさ~。いっぱい買ってきちゃったよ。ほら、ジョンにあげるよ。』
ジョン-『わ~、こんなにいっぱい、ありがとう!これだけあれば、ビルもロバートもエマもオリビアも、大喜びだよ。』
マイケル-『なんだ?そのビルとかロバートとか・・・。』
ジョン-『僕の兄弟だよ。僕の下に、弟二人と妹二人がいるんだ。』
マイケル-『へぇ~、5人兄弟なんて、今時珍しいな。』
ジョン-『お母さんは朝から晩まで働いて忙しいから、僕がいつも、下の4人を面倒見てるんだ。だから、毎日クタクタ・・・。それにいつも怒られるのは、僕ばっかり。ツイてないよ。』
マイケル-『そりゃあ、大変だな。』
ジョン-『今日は、いいことを教えてくれるんだよね!』
マイケル-『あぁ、そうだったな。今日は特別にいいことを教えてあげよう。しかも、
学校では絶対に教えてくれない魔法使いの話さ。』
ジョン-『魔法使いの話?本当?なんだか、ワクワクしてきちゃった!じゃあ、今、ペンとノートを用意するね。』
マイケル-『魔法使いは信じるかい?』
ジョン-『ん~、わかんない・・・。だって、魔法使いを見たこともないし、見たことがあるって人も聞いたことがないし。』
マイケル-『そうだよな、世の中の人っていうのは皆、目に見えるものしか信用しないからな。でもな、この世の中で本当に賢く生きている人っていうのは、目に見えないものをとても大切にしているんだよ。』
ジョン-『ふ~ん、そうなのかな。』
マイケル-『そうだとも。今はどんな感じだい?寒いかい?暑いかい?』
ジョン-『今は、暖かくて気持ちいいよ。』
マイケル-『そうだね、暖かくて気持ちがいいよな。でも、それって、目に見えるものじゃないからな。それに、心地よい音楽だって、耳では聞こえるけど、目では見えないからな。』
ジョン-『ふ~ん。』
マイケル-『だから、これからは、目に見えないものを大切にしていくといい。そうすればジョンもきっと魔法使いになれるはずさ。』
ジョン-『魔法使いになれると、何かいいことがあるの?』
マイケル-『ああ、あるとも。昨日イジメてた奴がいるだろう。あんな奴は皆、魔法を使えば、簡単にやっつけることができるぞ。それに、今は貧乏かもしれないけど、お金で苦労しない生活を送ることもできる。』
ジョン-『ほんとう?僕でも、魔法が使えるの?・・・でも、僕は頭が悪いし、根性もないし、運動神経も鈍いし・・・、無理に決まってる!』
マイケル-『大丈夫だよ、ジョン。頭も根性も運動神経も必要ない。必要なのは、ハートだけだ。』
ジョン-『じゃあ、どうして、世の中の人は皆、魔法使いにならないの?』
マイケル-『使い方を知らないからさ。皆、頭や根性や運動神経ばかりに気をとられて、一番肝心のハートに意識しないからさ。』
ジョン-『じゃあ、僕でも魔法使いになれるの?』
マイケル-『ああ、なれるとも』
ジョン-『ほんとう?』
マイケル-『ほんとうだとも。ただし、目に見えないものをコントロールするのは、とても難しい事なんだ。』
ジョン-『・・・。』
マイケル-『ジョンにやる気があるのなら、一から教えてあげよう。ただし、お母さんや学校の先生には、絶対に内緒にすること。もし、この話を他の人にしゃべったら、皆ジョンのことをバカにするか、もしくはここへ来ることを禁じるだろう。どうする、ジョン?』
ジョン-『一つ聞いてもいい?』
マイケル-『ああ、いいよ。』
ジョン-『お兄さんは、どんな魔法が使えるの?』
マイケル-『魔法が使えるっていうのは、手品とは違うんだ。目の前にあるブランコを壊したり、突然台風を起こさせたり、ジョンの手足が動かなくなるようにしたり・・・、そういうのとは違うんだ。もし、そんなことをできる人が世の中にたくさんいたら、大変なことになるだろう。』
ジョン-『・・・。』
マイケル-『それは、神様も絶対に許さないし、そこまでの力は人間には与えられていない。魔法が使えるっていうのは、ジョンの願いを叶えるためのお手伝いをしてくれる事をいうんだよ。ジョンをいじめている奴を、指一本触れずに倒すこともできる。良い事には使えるけど、悪い事には使えないんだ。』
ジョン-『指一本触れずに、あいつらを倒すことができるの?』
マイケル-『ああ、できるよ。』
ジョン-『じゃあ、僕でも魔法が使えるように、今日から教えて下さい。』
マイケル-『それじゃあ、今日から特訓だな。』
ジョン-『どんな事をすればいいの?』
マイケル-『そうだな、まずは簡単な質問からはじめようか。最近、何かハッピーな事はあったかい?』
ジョン-『ハッピーな事?何もないよ・・・。だって、クラスではいつもいじめられるし、家に帰っても弟と妹の面倒を見なきゃならないし、兄弟のパンツだって、僕が洗濯しなきゃならないし・・・。もう、毎日嫌になっちゃう。早く、こんな生活から解放されたいな。』
マイケル-『ジョンは宝捜しをしたことはあるかい?』
ジョン-『宝捜し?面白そうだけど、そんな事をする時間もないし、誰も宝捜しに連れて行ってもくれないよ。』
マイケル-『じゃあ、僕がその宝捜しに連れて行ってあげるよ。』
ジョン-『ほんとうに連れて行ってくれるの?』
マイケル-『ああ、ほんとうだとも。』
ジョン-『やったー!ねぇ、どこに行くの?なんだか、ワクワクしてきちゃった!』
マイケル-『準備はできたかい?』
ジョン-『準備?急にそんなこと言われても、何も準備なんかできてないよ。今日はサンダルだから、遠出できる格好じゃないもん。』
マイケル-『いや、そうじゃないんだ。”心”の準備はできたかい?って事を聞いているんだ。』
ジョン-『・・・。』
マイケル-『遠くまで行って、宝捜しをする必要はないんだ。ここでベンチに腰かけながら、宝捜しをするのが魔法使いになるための一歩さ。』
3.バランスを保つと魔法使いになれる?
マイケル-『やあ、元気だったかい?』
ジョン-『うん、元気だったよ。』
マイケル-『あの5人組はどうだ?』
ジョン-『うん、最近、あまりちょっかいかけてこないみたいだよ。』
マイケル-『そうか、それは良かったな。じゃあ、今日から魔法使いになる為の特訓だな。』
ジョン-『うん。宝捜しをするんだったよね。』
マイケル-『そうだな。じゃあ、1+2は、いくつだい?』
ジョン-『3だよ。それ、算数の足し算だよね。僕はもう小学5年生だから、そんなのは簡単だよ。』
マイケル-『そうか、じゃあ、5×3は、いくつだい?』
ジョン-『15だよ。それも算数の授業で習ったから、知ってるよ。』
マイケル-『そうか、ジョンは頭がいいな。』
ジョン-『そんなのは、皆知ってるよ。今日、僕に教えてくれるのは、魔法使いになるための授業でなかったの?』
マイケル-『まあ、焦るなよ、坊や。物事には順序っていうのがあるんだ。次の問題は少し難しいぞ。-5+5は、いくつだい?』
ジョン-『0だと思うな。』
マイケル-『ピンポーン!正解だよ、ジョンは頭がいいな。』
ジョン-『僕、算数の勉強をしに来たわけじゃないのにな・・・。』
マイケル-『まあ待て、本題はこれからだ。今の答え、もう一度言ってごらん。』
ジョン-『0(ゼロ)。』
マイケル-『そうだ、ゼロだな。魔法使いの世界では、この0という答えを導き出すのが、ルールになっているんだ。』
ジョン-『どういうことなの?』
マイケル-『世の中っていうのは、全てバランスが保たれているからこそ、快適に暮らすことができるんだ。そのバランスが0(ゼロ)ということだよ。』
ジョン-『なんだか難しそうだな・・・。』
マイケル-『大丈夫だよ。頭の悪い俺でさえ、理解できるんだから、とても簡単なことなんだよ。それで、次の問題を出すぞ。』
ジョン-『・・・。』
マイケル-『ジョンのズボンには穴があいている・・・。だけど、これにあるものを当てはめると、答えが0になるんだよ。何を当てはめるといいと思う?』
ジョン-『ん~、難しすぎて、わかんない!』
マイケル-『いや、とても簡単だぞ。』
ジョン-『じゃあ、答えはなあ~に?』
マイケル-『いいかい、ジョンのズボンには穴があいている(マイナス)。だけど、Tシャツには穴があいていない(プラス)。マイナス+プラス=0になるだろう。』
ジョン-『そう言われてみれば、僕のTシャツには、どこも穴があいてない!』
マイケル-『じゃあ、次の問題。ジョンの家は貧しいかもしれない・・・。だけど?』
ジョン-『ん~・・・。だけど・・・、だけど・・・、だけど、兄弟みんな元気で仲良しだよ。』
マイケル-『ほぉ~、上出来じゃないか!とてもいい答えだぞ!』
ジョン-『ほんとう?』
マイケル-『ああ、本当だとも、とてもいい答えだぞ。じゃあ、次の問題。ジョンは5人組にいじめられて悔しい・・・。だけど?』
ジョン-『だとげ・・・。お兄さんと知り合って、魔法使いになる為の方法を教えてもらう事ができた。』
マイケル-『最高の答えじゃないか!なかなか素晴らしいぞ!ところで気分はどうだい?』
ジョン-『うん、ちょっぴり幸せな気分になってきたかも。凄い不思議な気分になってきた。』
マイケル-『どうして、幸せな気分になってきた思う?』
ジョン-『ん~、わかんない。お兄さんに魔法をかけられたのかな・・・。』
マイケル-『俺が魔法をかけたわけじゃないぞ。ジョンが”宝捜し”をしたからさ。』
ジョン-『宝捜しって、そういう事だったんだ!』
マイケル-『幸せっていうのは誰にとっても、大きな宝物のはずだよな。だけど、その宝物は、どこからか勝手に舞い込んでくるものだとばかり思っている人が多いかもな。来る日も来る日も、幸せが自分の所に訪れるのを待ってるんだ。』
ジョン-『幸せっていうのは、自分から積極的に見つけにいかないとダメだってこと?』
マイケル-『その通りさ、ジョン。幸せっていうのは、”不幸な時”に探すようにするんだ。そうすれば、バランスが保たれて、0(ゼロ)になるんだ。』
ジョン-『不幸な時(マイナス)に、幸せ(プラス)を見つければいいんだね。』
マイケル-『そうすれば、魔法が使えるようになれる。おまけに、ハッピーな気持ちにまでなれる。最高じゃないか!』
ジョン-『僕は兄弟のパンツまで洗わないといけない・・・。だけど、それをやると、お母さんが喜んでくれる。僕には友達がいなくて寂しい・・・。だけど、その分、魔法使いの勉強がいっぱいできるから好都合かも。ねえ、こんな感じでいいの?』
マイケル-『ああ、とてもいい答えだよ。ジョンはいい魔法使いになれそうだな。』
ジョン-『魔法使いになる為の勉強って、学校の勉強より楽しいかもね。魔法が使えるようになったら、学校の先生を驚かしてやろうかな。』
マイケル-『それじゃあ、今日の授業はここまでだな。明日はもっといい事教えてあげよう。』
ジョン-『本当?明日が待ち遠しいな・・・。』
マイケル-『お母さんの手伝い、ちゃんとするんだぞ。』
ジョン-『うん、わかった!』
4.理由は何でもいいから感謝する!
マイケル-『やあ、元気だったかい?』
ジョン-『うん、元気だったよ。』
マイケル-『そうか、それは良かった。』
ジョン-『今日は、何を教えてくれるの?』
マイケル-『その前に、前回で学んだことを、ちゃんと実践しているのかを聞きたいね。』
ジョン-『うん。もちろん実践しているよ。だって、早く魔法使いになりたいもん。』
マイケル-『じゃあ、どんな事をした?』
ジョン-『あのね、この間、お母さんに叱られたんだ。』
マイケル-『なんて、叱られたんだ?』
ジョン-『テレビばっかり見ていたら、「勉強しないと、りっぱな大人になれないわよ!」って叱られた。それに、「弟たちの手本にならなきゃ、ダメじゃないの!」っても言われた。』
マイケル-『それで、ジョンはなんて答えたんだ?』
ジョン-『「勉強嫌いー!!」って。』
マイケル-『お前、俺とそっくりだな!』
ジョン-『えー!お兄さんも、勉強嫌いなの?』
マイケル-『あぁ、学校の勉強はどうも苦手だな。』
ジョン-『じゃあ、僕と仲間だね、良かった。』
マイケル-『いや、勝手に仲間にされても困るぞ。それでどん事を考えたんだ?』
ジョン-『たしか、不幸な時(マイナス)に、幸せ(プラス)を探すんだったよね。』
マイケル-『そうだ。』
ジョン-『いつもだったら、「勉強しなさい」って言われたら、ふてくされてたんだ。でもね・・・、今回は、違ったよ。』
マイケル-『へぇ~、どんなことをしたんだ?』
ジョン-『あのね、「勉強しなさい」って叱られたけど・・・。お母さんに感謝したんだ!』
マイケル-『へぇ~、それは偉いな~!どんな風に感謝したのかな?』
ジョン-『あのね・・・。笑わないって約束してくれる?』
マイケル-『あぁ、絶対に笑わないよ、約束する。』
ジョン-『あのね、僕は将来、子供になりたいな!って思ってたんだ。だって、大人になると大変そうだし、小学生の僕でさえ、大変なのに、大人になったら、もっと辛いだろうなって。』
マイケル-『ハハハ、ジョンはオバカさんだな。』
ジョン-『あっ、笑わないって約束したのに!!』
マイケル-『ごめん、ごめん、まさか「子供になりたい」なんて答えると思わなかったんでね。でも、大人の世界の方が楽しいぞ。』
ジョン-『でも、大人って皆、あんな煙たいタバコを美味しそうにプカプカ吸ったり、お酒だってオレンジジュースみたく甘いわけでもないのに、酔っ払うまで飲んだり・・・。大人の世界って、なんかよくわかんないな。』
マイケル-『大人の世界って、色々辛いことがあるのさ。だから、酔っ払うまで飲んで、気晴らししたくもなるのさ。』
ジョン-『お兄さんも、そうなの?』
マイケル-『俺は、ほどほどさ。それに、辛い人生だったとしても、「考え方」が変われば、辛い人生だって楽しくなる。』
ジョン-『へぇ~、そうなのかな。』
マイケル-『でも、お母さんに叱られて感謝した事と、「大人になりたくない」っていのうは、何か関係があるのか?』
ジョン-『関係、おおありだよ!』
マイケル-『へぇ~、どんな風に関係しているんだ?』
ジョン-『だってね、魔法使いになったら、年を取らずに子供のままでいられるようになるんじゃないかって思ったんだ。魔法使いになる為には、毎日テレビなんか見ている暇はないなって・・・。だから、魔法使いになる為に、頑張って勉強しようって思ったの。そういう気持ちになったのも、お母さんのおかげかなって。だから、お母さんに感謝したんだ。』
マイケル-『まぁ、動機はどうであれ、お母さんに叱られて(マイナス)、感謝(プラス)することができたんだから、合格だな。』
ジョン-『本当に僕は、魔法使いになれる素質はあるかな?』
マイケル-『ああ、大丈夫だとも、ジョンならできる。』
ジョン-『それで、今日はもっといい事を教えてくれるんだったよね。』
マイケル-『ああ、そうだったな。前回、ジョンに教えたのは、「宝捜し」だったよな。』
ジョン-『うん。結構、面白いし、いっぱい嫌なこともあるけど、だんだん楽しくなってきちゃった。』
マイケル-『いいかい、これはな~~んだ?』
ジョン-『それ、ただの輪ゴムでしょ。』
マイケル-『ピンポーン!よく見てご覧。人差し指に、輪ゴムを引っ掛けて、後ろに引くと・・・、ヒューーーーンって飛んだだろ。』
ジョン-『なんだ、そんなの全然面白くもなんともないよ。』
マイケル-『いや、別に面白くしようとか、そんな事考えてないんだよ。いいかい、今度はジョンがやってごらん。』
ジョン-『いいよ、こうやって人差し指に引っ掛けて、後ろに引くんだよね。』
マイケル-『ああ、そんなに引いちゃダメダメ。ジョンは、1cmだけ後ろに引いて、飛ばしてごらん。』
ジョン-『えぇー、僕だけ1cmなの?ずるいな・・・。じゃあ、1cmだけ引いて、飛ばしてみるね。ヒュン・・・。ああ、全然前に飛ばないや!』
マイケル-『そうだろ、後ろにいっぱい引かないと、勢いよく前には飛ばないだろ!それが、今回の魔法使いになる為の授業だよ。』
ジョン-『どういうことなの?詳しく教えてよ。』
マイケル-『もう、暗くなってきたから、お母さんが心配しているぞ。続きはまた、明日だ。』
ジョン-『うん、わかった。じゃあね!』
2023/02/21