人間関係に疲れた時の処方箋 キャサリンの物語1

運の世界や「ゼロの法則」がストーリー形式で簡単に理解できるようになっています。

最近、妹のキャサリンの様子がおかしいようだ。
学校から帰ってきても誰とも話をせずに、すぐに自分の部屋に閉じこもってしまう。
失恋でもしたのかな?いや違うだろう。

ボーイフレンドがいるなんて話を今まで聞いたことがない。
それから数日後、学校へはもう行かないと言い出した。
母はびっくりしてすぐに学校に電話すると、担任の教師が来てくれるみたいだ。
とりあえず担任の教師がうまく妹を説得したらしく、妹は学校へ行くのを承知したみたいだ。

どうやら妹は学校でいじめられているようだ。
とりあえず、今のところは学校に行っているが、以前の元気な姿はもうそこにはない。

担任の教師は『至急調査をして、クラスでいじめがあるのであれば改善するように努力します。』とは言っているが・・・。
先生が変に動き出すと、ますますいじめがエスカレートするのではないかと心配だ。

兄のマイケルは、最近親しくなった近所に住むバランスさんに相談してみようと思った。
翌日マイケルは妹のキャサリンを連れてバランスさんの家に行くことにしました。

1.嫌いな人を好きになれ?

マイケル-『こんにちは~。』

バランス-『やあ、久しぶりだね。元気だったかい?』

マイケル-『はい、俺は元気なんですが、妹が学校でいじめられてるみたいなんですよ。』

キャサリン-『・・・・・。』

マイケル-『妹のいじめについても、運やエネルギーを発生させて解決することってできるんでしょうか?』

バランス-『もちろんだとも。

思考が一番大事だからね。

思考を変換すれば状況はガラリと変わるんだけどね。しかも簡単に・・・。口で言うのはやさしいんだけど、いざ思考を変換しようと思っても、長年蓄積してきた憎しみ、怒り、悲しみというのはそう簡単にプラス思考できるもんじゃないんだ。やはり少しずつ訓練しなきゃならないと思うよ。ところでキャサリンは学校ではどんな風にいじめられているのかな?』

キャサリン-『・・・・・。何だかとっても陰湿なの。みんな私のこと無視し続けるの、ず~と。仲の良かった友達にも無視されちゃって。』

バランス-『じゃあ、殴ったり蹴られたりっていう暴力みたいな事ははないんだね。』

キャサリン-『殴られたほうがよっぽどすっきりするかもしれない。一番辛いのはお昼休み。他のみんなは仲のいい子同士でグループになってお弁当を食べたりして、みんな楽しそうにしてるけど、私だけ一人で黙々食事するのって耐えられない。』

バランス-『以前はどうだったの?クラス全員の子と仲良くしてたの?』

キャサリン- 『クラス全員ってわけじゃないけど、みんなと仲良くしていたつもり。でも嫌いな人も何人かいたけど。』

バランス-『原因は何だと思う?』

キャサリン- 『それがわからないの・・・。まったく思い当たらないし。私が気がつかないだけで知らない間に人の気に触るような事をしたかもしれない。』

バランス-『さっき【嫌いな人も何人かいた】って言ったね。何人いるのかな?』

キャサリン- 『え~と。いじめられっ子も加えると3人かな。』

バランス-『キャサリンの他にもいじめられてる子がいるのかい?』

キャサリン- 『今、私3年生だけどその子と1年の時からずっと同じクラスだったの。顔がガマガエルみたいで気持ち悪いからいつもみんなに馬鹿にされて、お昼休みはみんなのパンとかお菓子をよく買いに行かされるわ。』

バランス-『よしそれじゃあ、その子に決めよう!』

キャサリン- 『え・・・?どういうこと?』

バランス-『その子に対してプラス思考するんだよ。』

キャサリン- 『プラス思考?』

バランス- 『そのいじめられっ子に対して、嫌いとか気持ち悪いという感情を捨てようということだよ。その子だって好きでガマガエルみたいな顔に生まれてきたわけじゃないんだから。外見が変だからって、それだけで人を判断するのはどうかと思うよ。その子のことを好きになろうよ。』

キャサリン- 『でも、気持ち悪いのに好きになれって言われても無理だと思います。』

バランス- 『もしだよ。そのいじめられっ子に対してプラス思考ができれば、キャサリンがクラスのみんなから無視される状況から解放されるとしたらどうだい?』

キャサリン- 『私がクラスの子から無視されなくなるんだったら、考え方を変える努力をするかもしれないけど、そんなバカな事って起こるわけがないし。』

バランス- 『そうだね、信じてもらえないのも無理はないね。普通とは全く逆の考え方をしなさいって言ってるんだから。』

マイケル- 『バランスさん、今日はこのへんで帰りますよ。有難うございました。今日は妹にいくら言っても理解してもらえないだろうし、俺だって最初にその考え方を聞いたときは正直言って半信半疑だったし。だから時間をかけて何回も話をして少しずつわかってもらうしかないんじゃないかな。』

バランス- 『一番いいのはマイケルが変わることだよ。そうすれば私の言ってることも少しは興味をもってもらえるんじゃないかな。』

マイケル- 『そっか~、何時間も話をして理解させるよりも、俺自身がどんどん変わっていけばこれほど説得力のあることってないですよね。頑張ってみますよ、バランスさん。』

バランス- 『マイケルならきっとできるよ。それにすでに変わったじゃないか。こうして妹を心配してここに連れて来たのだから。』

マイケル- 『ありがとうバランスさん。じゃあまた来ますね。おやすみなさい。』

2.兄を試す

キャサリン-『お兄ちゃん。』

マイケル- 『なんだい?』

キャサリン-『あの人変わってるね。・・・っていうか頭がおかしいかも。だって嫌いな人を好きになれっていう考え方は普通じゃないもの。』

マイケル-『たしかに考え方は普通の人とは全く逆だけど、だからってそれが間違った考え方だとは限らないだろう。』

キャサリン- 『私にはとてもじゃないけど理解できないわ!』

マイケル-『俺だって最初に話を聞いたときはびっくりしたよ。ひょっとしたらこの人、頭がおかしいかも?って思ったよ。それにさ~、株で損してる時に喜べって言うんだから、とてもじゃないけど俺も理解はできなかったよ。』

キャサリン- 『それでどうなの?少しは株で儲かってるの?』

マイケル-『実は今売れば10万円の儲けになるんだ~!いや~、久しぶりの儲けだから嬉しいな~。』

キャサリン- 『へぇ~、なんだかついてるのね。』

マイケル- 『ようやく俺にもツキが回ってきたかな。』

キャサリン-『そういえばさ~。妹の私に今まで何か買ってくれたことってないよね。あのね~、欲しい物があるんだ。』

マイケル- 『どうせ服とかバッグとか、そんなところだろ。何が欲しいんだ?』

キャサリン- 『ほんとにいいの?あのね、パソコンが欲しいの。』

マイケル- 『・・・え?パ・ソ・コ・ン?今パソコンって言った?』

キャサリン- 『そうよ、パソコンよ。顔色が悪いわよ。』

マイケル-『当たり前だろ!パソコンが欲しいって言うけど、いくらすると思ってるんだよ!値段を調べてから言ってくれよ。何も知らないやつだな~。』

キャサリン- 『知ってるわよ!10万とか20万とかするんでしょ。』

マイケル-『お、お前、パソコンの値段を知ってて欲しいって言ったのか。恐ろしいやつだな。そういう高価な物は父さんか母さんに言えよ。』

キャサリン-『冗談よ!そんな高いもの買ってくれないことくらい知ってるわよ。別にパソコンが欲しいわけじゃないしぃ~。ただ寂しいだけなの。学校では誰も相手にしてくれないし・・・。誰か私の事、真剣に思ってくれないかな~って思っただけ。だからバランスさんのところに行ってお兄ちゃんが変わったんだったら、ひょっとしたら、もしかしたら、奇跡的に兄が私の為に買ってくれるかもしれないって思っただけ。〛

マイケル-『(おいおい)』

キャサリン-『もし兄にそんな奇跡が起きたら、ちょっとだけバランスさんのこと信じてみようかなって思っただけなの。あ・・・ごめんね。別にパソコン欲しくってこんな事言ってるわけじゃないからね。やっぱりズルイよね、私って。だから学校で誰も相手にしてくれないのかな。だから親だったらなんとか頼み込めばパソコン買ってくれるかもしれないけど、お兄ちゃんが買ってくれることに意味があるの。』

マイケル-『・・・・・(いや~参ったな~。さっき10万円儲かってるって言わなきゃ良かったな~。今の俺って運がいいのか悪いのか?)』

キャサリン-『いいのよ。ほんと冗談だから。それに卒業するまであと1年もないんだし。』

マイケル- 『買うよ(ポツリ・・・あ~どうしよう、とうとう買うって言ってしまったよ。)』

キャサリン-『無理しなくっていいよ。もし本当に買ってもらったら後が怖いもん。あの時お前にパソコンを買ってやったな~んて一生言われ続けるのも嫌だし。だから本当にいいからね。』

・・・と言ってるうちに自宅に着いてしまいました。

マイケルは部屋で何か考えているようです。

『とうとう、かっこつけて妹にパソコン買うって言ってしまったな~。信じられないな~。今までの俺だったらCDの一枚でさえ、買ってやるなんて考えた事ないのに。本当は儲かった10万円で古くなった自分のパソコンを買い換えようと思ってたのにな。結局妹に買ってあげるはめになるとはな~。しかも久しぶりの儲けなのにな~。考えてもしょうがないかっ!買うって言ってしまったんだから。』

『こういう時はどうしたらいいんだろう。バランスさんに言ったらきっとまた

【良かったじゃないか、喜びなさい】

って言うに決まってるもんな~。ちょっと待てよ・・・。そっか~、こういう時はプラス思考するんだったよな。今はマイナスの事(妹にパソコンを買うはめになった)が起こったんだからプラス思考しなきゃならないんだよな。』

『本当に俺って今まで自分以外の人に何かプレゼントした事ないもんな~。一生に一回位いいか(笑)。よ ~し!じゃ次に儲かったら、今度こそ自分の為に最新のノートパソコンを買うのだ ~!』

3.パソコンが届いた!!!

運わるぅ.com・ハイスクール

メリー-『今日のお弁当、おかずが少ないわ。きっとうちの親、手抜きしたのね。』

リンダ-『しょうがないわよ、メリーのお母さん働いてるんでしょ。』

メリー-『なんか物足りないな~。パンでも買ってこようかしら。え~と財布は・・・。あ・!チャリン!チャリン!チャリン!あ~あ、お金が転がっていったわ。』

リンダ-『あっちの方に転がっていたわよ。』

・・・・・・・

メリー-『100円玉2個は見つけたんだけど500円玉が見つからないの。どこへいったのかしら。ちょっとみんな~、足元に落ちてないか探してくれない~!』

全員-『な~い!!』

リンダ-『最初っから100円玉2個しかなかったんじゃないの?』

メリー-『そんなことないわよ、だって朝家を出る時に、財布の中に500円玉が入っているのを見たんだもの。』

リンダ-『500円くらい、いいじゃないの。』

メリー-『ダメよ!今月はもう小遣いが少ないんだから!ちょっと待って、教室の後ろまで転がっていったかもしれないし。』

リンダ-『・・・。』

メリー-『キャサリン!足元調べてくれないかしら。』

キャサリン-『いいわよ。一番後ろの私の席まで転がってくるわけないんだし。・・・・・あれ?足元に落ちてるわ。これかしら、メリーの500円玉って。』

メリー-『そうよ私の500円よ!わざと隠したんでしょ!いつも誰からも相手にされないからって、そんな意地悪する事ないじゃないの!だからみんなに嫌われるのよ。もうお昼休みの時間がないじゃないの!早くその500円で私のパンを買ってきてちょうだい!大急ぎよ!』

キャサリン-『・・・・・(あ~あ、なんで私がパンを買いに行かなきゃならないの?それによりによってどうして私の足元に500円玉が転がってくるのよ~!とりあえず急いで走って買ってこないと、お昼休みが終わっちゃうわ)』

メリー-『なんでカレーパンなんか買ってくるのよ!私はねメロンパンじゃないとダメなの!もう一度、買いに行ってきてよ!』

キャサリン-『でも、もう授業が始まっちゃうし・・・。』

メリー-『嫌なら学校の帰りに私とリンダにファミレスで奢ってちょうだい。』

キャサリン-『わかったわ、もう一度行ってくるわ。』

★  ★  ★  ★

先生-『それでは授業を始めま~す。え~と、それでは・・・・・。キャサリン遅いじゃないか!もう授業は始まってるよ。』

キャサリン-『メリーのパンを買いに行ってたんです。』

メリー-『ふざけたこと言わないでよ!授業中にパンを食べれるほど、私は神経図太くないわよ。』

先生-『とにかく今は授業中だから、そのパンは後で食べなさい。わかったね、キャサリン。』

キャサリン-『・・・・・。』

公園をプラプラして夜になったので自宅に帰ってみると。

-『キャサリン!あなた宛にパソコンが届いているわよ!どうしたのよ、こんなもの買って!ママはお金ないわよ。それにパパだって怒るわよ。だまってこんなもの買って!』

キャサリン-『知らないわよ!私だってそんなお金があるわけないし・・・。買うわけがないでしょ!』

-『だって住所も間違いないし、名前だってちゃんとキャサリンってはっきり書いてあるわよ。』

キャサリン-『あ・・・、もしかして、お兄ちゃんが。』

-『なんでマイケルがキャサリンの名前で、パソコンを買わなきゃならないの?』

キャサリン-『いや、私に買ってくれたかもしれない。』

-『バカだね~。ないない!絶対そんことあり得ないわ!!キャサリンだってマイケルがケチだってこと知ってるでしょ。私の誕生日とパパの誕生日だって何一つ買ってくれたことがないのに。』

マイケル-『ただいま~。あ~重い重い!ちょっとそこ邪魔だからどいてよ。2階まで持っていかなくちゃならないんだから・・・。よいしょ、よいしょ、あ~重い!とりあえずは机の上に置いてっと。あとプリンターも運ばなくっちゃ!』

-『あら、また2階から降りてくるわよ。』

マイケル-『あれ、何さっきからそこで2人して突っ立ってんの?』

-『マイケルこそ何を買ってきたのよ!それにこれは何?キャサリン宛にパソコンが届いてるわよ。』

マイケル-『俺が買ってやったんだよ。』

-『どこでそんな大金拾ったの!警察に届けないとダメじゃないの!』

マイケル-『違うよ、株で儲けたんだよ。まあ、俺が株で儲けるのはいつもの事だけど、はは・・・はっはっはっ~~。』

-『へぇ~、マイケルがねぇ~。株で儲けたっていうのも信じられないけど、でもどうしてキャサリンにパソコンを買ってあげたの?株で儲けたことよりそっちの方が不思議だわ。今までに私の誕生日だって母の日だってカーネーションの花一つさえ買ってくれたことがないのに・・・。』

マイケル-『水臭いな~。母さんもパソコンが欲しいなら欲しいって言ってくれればちょっとは考えたのに(もちろん、考えるだけね)。それにパソコンの扱い方くらい覚えておいた方がキャサリンが就職する時に有利だろ。』

-『マイケル大丈夫?どこかで頭でもぶつけたんでしょ。あっ!わかったわ!宝くじに当たったんでしょ!1億当たればパソコンの1台や2台買ったってわけないものね。』

マイケル-『まあなんとでも言ってくれよ!プリンターも運ばなきゃならないし忙しいんだから。』

-『わけがわからないわ!ちょっとベッドで休ませてもらうわ』

4.心の中に恋人を作ればいい

マイケル-『あれ~お前まだパソコン使ってないの?設置できないなら俺がやってあげようか。』

キャサリン-『ありがとう。でも今日はいいわ。あのね、バランスさんの話をもう一回聞いてみようかなって思っているの。』

マイケル-『とうとう、兄の変貌ぶりを見て改心する気になったか!』

キャサリン-『あのね~、改心なんて言わないでよ!まるで私が今まで悪い事してきたみたいじゃないの!』

マイケル-『へえ~、改心って、今まで悪い事してきた人が心を入れ変えることを言うのか。お前、頭いいな~。』

キャサリン-『・・・(可哀相)。』

★バランスさんの家★

マイケル-『妹がまた話を聞きたいっていうから、連れてきたんですけど』

バランス-『キャサリン、学校での状況は少しは変化したかい?』

キャサリン-『相変わらずです。』

バランス-『これだけは覚えといて欲しいんだ。キャサリンの為に私やマイケルや、キャサリンの親が助言をしたとしても何も変化は起こらないよ。キャサリンの親がいくら学校の担任の教師にいじめをやめさせて下さい、と言っても状況は変わらないかもしれないよ。これはね、キャサリンの心が原因なんだよ。』

キャサリン-『それじゃあ、私の心に原因があるから、いじめられても当然だって言うんですか!!私をいじめてる子達は何も悪くないんですか!』

バランス-『もちろんキャサリンをいじめてる子達は悪いと思うよ。でもね、そのいじめてる子達を引き寄せているのはキャサリンの心なんだよ。どうして他の人ではなくキャサリンがいじめられるのだろう。ひょっとしたらただ単に運が悪いだけかもしれない。きっとキャサリンはそう思っているよね。』

キャサリン-『私より性格の悪い子はもっといるのに、なんで私がいじめの対象になったのか今でも不思議です。本当に運が悪いとしかいいようがないです。』

バランス-『それじゃあ、運を良くすれば問題は解決するかもしれないよ。』

キャサリン-『でも~、嫌いな人を好きにならなければならないんでしょ。運を良くしたいけど、私にはできそうにもないわ・・・。』

バランス-『でも心配する事はないよ。嫌いな人を好きになるなんて思考は始めっからできるわけがないし、少しずつ訓練すればいいことだからね。それに他人の嫌いなところばかりに、目を向ける癖をつけると、いつまで経っても幸せにはなれないよ。たとえ物質的に恵まれたとしても、いつも満たされないという心がそこにあるはずだよ。キャサリンに今、恋人はいるのかな?』

キャサリン-『いません。』

バランス-『もし素敵な異性に巡り会い、その人のことを好きになったら幸せな気持ちにならないだろうか。絶対不幸な気分にはならないはずだよね。きっと毎日が楽しくてしかたがないだろう。それは【好き】という感情が心の中の大半を占めているからだよ。逆に【嫌い】という感情が心の中の大半を占めていると、毎日の生活がつまらないものになるね。言ってることはわかるかな。』

キャサリン-『はい、なんとく・・・。』

バランス-『いいかい、心の中に好きという感情が増えるように努力するんだよ。すると自分の置かれている環境がどうであれ、いつも幸福な気分になれると思うよ。いきなり嫌いな人(マイナス)を好きに(プラス)なるのは、私も無理だと思うよ。ちなみにお父さんとお母さんの好きなところはあるかい?』

キャサリン-『パパは優しいところかな。それに今まで怒られたことはほとんどないし、ママはお金に細かいし、私の服装のことでガミガミ言うし、好きなところって急に言われても思いつかないわ。』

バランス-『まずはプラス思考する前に、心の中に恋人を作る練習をした方がよさそうだね。お母さんの好きなところを見つけるように努力した方がいいね。どんなちっぽけな事でもいいから探してご覧。きっとあるはずだから。』

キャサリン-『はい・・・。』

バランス-『キャサリンは、お母さんの良い所を見ようとしないだけだと思うよ。少しずつ心の中に好きという感情を増やしてプラス思考に慣れるようにしよう。お母さんの好きなところを一つ見つけるごとに、キャサリンも一つ幸せになれるはずだよ。まずはそこから練習してみよう。それをクリアしてから次のステップに進もう。』

キャサリン-『それだったらなんとか頑張って出来そうだわ。言われてみれば私は人の嫌いなところばかりが目に付いて、好きなところは見ようとしなかったかもしれない。少しだけ気持ちが落ち着いてきたわ。ママの好きなところを見つけるように頑張ったら、少しは今の状況が変わるのかな?』

バランス-『状況はそれほど変わらないかもしれないけど、キャサリンの心の中は大きく変わったことに自分で気づくだろう。でもお母さんの好きなところを見つけることができたら、きっと次からは楽にプラス思考ができると思うよ。あくまでもプラス思考する為の予備練習に過ぎないからね。

運を発生(今の状況を変化)させる為にはあくまでも逆の思考をしないといけないんだよ。』

キャサリン-『なんだか難しそうね。』

バランス-『そんなことないよ、マイケルだってプラス思考できるようになったんだから。』

マイケル-『・・・(悲)。そう、プラス思考するのに頭のいい悪いは関係ないと思うな。俺が思うには頭がいい人は逆にプライドとかが邪魔をして、状況を変化させるのに時間がかかると思うんだけどな。』

バランス-『大丈夫だよ、絶対に今の状況を変えることはできるから、頑張ってご覧。』

キャサリン-『私って悪いところばかりに目を向け過ぎね。兄があんな高価なパソコンを買ってくれて、幸せなはずなのに心から喜べないのは、やっぱり私の心に原因があるかもしれない。頑張ってみます!』

続きは「人間関係に疲れた時の処方箋 キャサリンの物語2」

Pocket

      2023/02/21

 - 物語