理不尽な世の中を斬る!マイケルの物語・復讐編6

21.マイケル、因果応報を試す

マイケル-『あんた、ろくな死にかたしないな。』

警察署長-『うるさい!だまれ!』

マイケル-『最後に正義は勝つことになってるんだ!あんた、映画を見たことはないのか?』

警察署長-『俺だって、映画くらいは見るさ!それがどうした?』

マイケル-『アクション映画なんかさ、必ず最後に悪人は殺されることになってるんだ。あんたも危ないな・・・。』

警察署長-『ハッハッハッ!!何を寝ぼけたことを言ってるんだよ!わしには権力があるんだぞ。それに大きな後ろ盾も一人や二人じゃないんだ。だから余計な心配はいらんよ、小僧!』

マイケル-『そうかい?それならいいけどね。でもな、例え今世で何もなかったとしても、あの世では絶対に地獄行きに決まってる!すでにもう、近くまでお迎えに来ているはずさ。』

警察署長-『てめぇ、言いたい事言いやがって。明日の取り調べが楽しみだな、ガァハッハッハッ!覚悟してろよ!』

マイケル-『おっさんさぁ~、因果応報って言葉知ってるか!』

警察署長-『ああ、知っているとも。良い行いをした者には良いことが起こり、悪い行いをした者には悪いことが、自分の身に降りかかるのだろう。俺には関係ないわい!』

マイケル-『へぇ~、おっさんの身には必ず何かが起こりそうだけどな。大病を患って一生苦しみ続けることにでもならなければいいけどね。』

警察署長-『ガァハッハッハッ、俺の心配をするよりも、自分の身を案じた方がいいんじゃないのか!お前はもう、一生ブタ箱から出られんと思うけどな。』

マイケル-『いや俺の心配はいらんさ。それよりも、おっさんの腹ずいぶんとポッコリ出ているよな~。毎日美味いもんばっかり食ってるんだろうな。』

警察署長-『そうさ、毎日たらふく美味いもんを食ってる。それがどうした、羨ましいか?』

マイケル-『おっさんには、摂生という言葉を教えてやりたいな。残念だけど、あんたは長生きできねぇぞ。』

警察署長-『余計なお世話だ!明日の取り調べが楽しみだな!覚悟しとけよ、二度と口が聞けないようにしてやるからな!』

マイケル-『そうかい、じゃあ楽しみにしておくよ。そうそう、人の念って、凄く恐いらしいぞ。俺の悪い念が、おっさんに憑くかもしれないな。』

警察署長-『フン!脅したって無理だぞ。俺は悪い念だとか霊だとかは、全く信用してないからな。』

マイケル-『まあ、1週間以内に何も起こらんことを祈るよ。』

翌日-取調室

警察署長-『どうだ、吐いたか?』

警察官-『いえ、全然ダメです。自分はやっていない・・・、の一点張りです。』

警察署長-『そうか、じゃあ。ちょっと手を加えてやれ!』

警察官-『そんなことはできませんよ。今はマスコミとかそういうのがうるさいから、もし万が一外にバレたら大変なことになりますよ。』

警察署長-『大丈夫だ!どうせあいつは一生ブタ箱から出られないのだからな。早くやれ!』

警察官-『でも、僕には・・・。』

警察署長-『何だよ、全く気の弱い奴だな。じゃあ、お前は席をはずせ。』

警察官-『あ、はい。』

・・・・・

警察署長-『よ~し。二人きりになれたようだな。』

マイケル-『おっさん、まだ元気そうだな。』

警察署長-『我が身を心配してくれて、有難うよ。でも、お前さんの身を心配した方がいいんじゃないのか!ハッハッハ!お前が、突き飛ばしたんだろ!』

マイケル-『いいや、俺はやってない。何度も同じセリフを言わせるなよ!』

警察署長-『じゃあ、しょうがないな!吐かせてやるよ!』

マイケル-『どうするんだよ!』

警察署長-『お前をボコボコにしてやるぜ!!』

・・・・・

警察官-『いくら何でも、ちょっとやりすぎじゃないですか・・・。』

警察署長-『いや、いいんだよ。どうせ一生ブタ箱暮らしだからな。それと、【自分が突き飛ばしました】と罪を認めたよ。』

警察官-『本当ですか!』

警察署長-『ああ、本当だとも。両親が住んでる所や妹がいることも知らせてやったら、大人しく吐いたよ。家族に危害が及んだら、大変だと思ったんだろう。これで一件落着だな・・・。これでまた、社長からたんまり小遣いが貰えるな、ガッハッハ!』

翌日-留置場

マイケル-『痛てててて、とりあえず、予定通りに事は運んだな。しかし、手加減なしにあんなに殴るとは思わなかったな。顔がヒリヒリして、痛くてしょうがないや。でも、俺が自供すれば、家族に危害が及ぶ事もないしな。それに因果応報を試すにはいい機会だし。ここで奇跡を起こすには、【ゼロの法則】しかないからな。果たして、本当に奇跡が起こるのかどうか、楽しみだな。』

警察署長-『やあ、どうだ気分は?どうしたんだ、その顔は?誰にやられたんだ?』

マイケル-『・・・。』

警察署長-『俺のことが憎くて憎くてしかたがないだろ!今すぐにでも、殺したい気分だろ!ガッハッハッ。因果応報なんて、嘘っぱちさ。お前の顔を見れば、それがわかるってもんよ。』

マイケル-『ありがとう、署長さんよ。』

警察署長-『・・・。』

マイケル-『ありがとう、署長さんよ。』

警察署長-『今、なんて言ったんだ?』

マイケル-『【ありがとう、署長さんよ】って言ったんだよ。』

警察署長-『ありがとうって、どういう意味だ?お前、気が狂ったんじゃないのか。昨日、俺はお前をボコボコにして、酷い目にあわしたんだぞ。その俺に、ありがとうっておかしくないか・・・。』

マイケル-『いや、これでいいんだよ。俺はあんたに心から感謝しているよ。何故なら・・・。』

警察署長-『どういうことだ?』

マイケル-『理不尽な出来事(運を発生させる機会)を与えてくれたんだからな・・・、有難うよ。』

22.因果応報、現れる

警察署長の家

警察署長-『痛ええええ!首が痛くて、しょうがないな!』

-『あなた、どうしたの?今まで風邪すら引いたことない人が、突然首が痛くなるなんて・・・。』

警察署長-『俺にもわからない。朝起きたら、首が痛くて回らないのさ。』

-『病院に行ってきたら?』

警察署長-『病院には行きたくないな。』

-『でも、首が回らないんじゃ、仕事にも差し支えるじゃないの。』

警察署長-『それも、そうだな。じゃあ、行ってくるわ。』

・・・・・

-『どうでしたか?』

警察署長-『いや、別に異常はないそうだ・・・、おかしいな。』

-『首が回らないほど痛いのに、異常がないっておかしいじゃないの?他の病院でも診てきたら?』

警察署長-『そうだな・・・。』

・・・・・

-『どうでしたか?』

警察署長-『どうやら、どこにも異常はないそうだ。だから、整骨院に行ってきたよ。』

-『それで。』

警察署長-『ただの筋肉痛じゃないのか?と言ってたけどな。』

-『今日はお休みをとって、少し休んだらいいわ。最近、ずっと夜遅くまでお仕事でしょ。』

警察署長-『ああ、そうだな(本当は、毎晩飲み歩いてるんだけどな・・・)。』

小学校

先生-『クラスメイトのメアリーが言ってたんだけど。学校の帰りに公園で、ジョンがいじめられているのを見かけたってね。』

ジョン-『そんな事ないよ、何かの間違いじゃないの。』

先生-『でも、メアリーは嘘をつくような子じゃないからね。』

ジョン-『じゃあ、先生は僕が嘘をついていると思ってるんだね!』

先生-『いやいや、違うよ。ひょっとしてジョンが苛められているんじゃないかと思って、心配だったんだよ。』

ジョン-『先生、心配してくれて有難う。でも、大丈夫だよ、だって魔法を使って、あいつらを倒すことだってできるもん。』

先生-『魔法を使う???』

ジョン-『(あっ、いっけねぇ。)冗談だよ、先生、間に受けないでよ。もし僕が苛められたら、魔法使いを呼んできて助けてもらうのさ。』

先生-『そうかぁ。どうやら、心配はなさそうだね。でも、もし本当に苛められて困った時には、いつでも遠慮なく先生に相談するんだぞ。』

ジョン-『大丈夫だよ、先生。だってね、A君たちは、みんないい奴だもん。本当は皆いい奴なんだけど、親に叱られて気分がムシャクシャする時だって、たまにはあるよ。』

先生-『そうかぁ。なんか随分と、世の中を達観しているというか、大人びた発言というか・・・。先生よりも大人だな・・・。』

ジョン-『だから心配しなくてもいいよ。もしクラスで苛めがあったなんて発覚したら、先生の評価にも影響するんでしょ。』

先生-『いや、まぁ・・・。』

A少年の家

A少年-『お父さん!首が痛いよ~!』

A少年の父親-『どうしたんだね。寝違えたんじゃないのかね。』

A少年-『首も回らないし、なんだかズキズキしてとても痛いんだ。』

A少年の父親-『そうかぁ、じゃあかかりつけの医者に来てもらって診てもらおうか。』

・・・・・

マイケル-『おっさん、どうしたんだ、その首は?』

警察署長-『うるさい!だまれ!』

マイケル-『やっぱり、悪事は働くもんじゃないな。』

警察署長-『ふん!俺は何も悪いことはしてないぞ。それどころか、世の中で悪事を働く者を、ブタ箱に放り込んで、地域の平和に貢献しているからな。』

マイケル-『おっさんには、”反省”という言葉を教えてやりたいくらいだな。それで、その首、病院ではなんて言ってたんだよ。』

警察署長-『お前に説明する義務などないわ!』

マイケル-『じゃあ、俺が説明してやるよ。原因不明の痛みだろ。』

警察署長-『・・・。』

マイケル-『俺の悪い念が、おっさんに憑いてしまったんだから、さすがに病院のレントゲンでも、そこまでは見れないだろうな。』

警察署長-『脅したって、無理だぞ。』

マイケル-『おっさん、俺の体を見てみろよ!あちこちあざだらけだよな。この傷、誰がつけたんだ?これだけの事をして、何の報いもないほど、世の中甘くはないんじゃないの?』

警察署長-『・・・。』

マイケル-『それにな、因果応報って、7倍に返ってくるらしいぞ。俺の顔や体を見てみろよ。凄い傷だろ!この痛みの7倍をこれから味わうことになるんだ。』

警察署長-『そ、そんな事はないさ・・・。』

マイケル-『予言した通り、1週間も経たないうちに、何かが起こったな。』

警察署長-『・・・。』

マイケル-『これから、もっともっと痛みが増して、寝ている時も起きている時も、地獄の苦しみを味わうことになるさ。おっさん、横ばかり向いてどうしたんだ?こっちに顔を向けられないほど、首が回らないのか?』

警察署長-『・・・。』

マイケル-『正直言うとな、別に俺の悪い念がついたわけじゃないんだよ。ただ、見えない運が作用して、おっさんに疫病神が憑いてしまっただけさ・・・。まあ、治す方法を教えてやってもいいけどな。』

警察署長-『ふん!わしは、そんな悪霊だとか、疫病神だとか、運だとか、そんなものは信用せんわ!2、3日後には、首をグルグル回して、お前の目の前に現れてみせるわ!』

マイケル-『おっさん、元気だけはいいな。因果応報は、残念ながら逃れられないよ。それが自然界の法則だからな。』

23.浮かれ過ぎると、強運にはなれない

公園

ジョン-『あっ、オジサン!!!元気だったの?』

バランス-『あぁ、なんとか生きているよ。ジョンは元気だったかい?』

ジョン-『うん、元気だったよ。魔法使いの勉強がしたくて、うずうずしてたんだよ。』

バランス-『そうかい、楽しみにしてたんだね。』

ジョン-『うん、だってね、学校の勉強よりもずっとずっと楽しいんだもん!』

バランス-『でも今日は、人に追われていて、ゆっくりしていられないんだ。』

ジョン-『そうなんだ~、残念だな・・・。』

バランス-『見つかったら、ヤバいから、ちょっと陰で話そうか。』

ジョン-『うん。』

バランス-『あれから、何か変わったことはあったかい?』

ジョン-『うん、別に変わったことは何もないよ。あっ、そういえばね。あのいじめっ子のA君がね、首が回らなくなったからって、一日学校に出たきりで、それからずっと休んでいるよ。』

バランス-『へぇ~、首が回らなくなったのか・・・。それで、ジョンはどう思っているんだ?』

ジョン-『かわいそうだなって思う気持ちと、当然だよなって思う気持ちが半分半分かな。だから、せいせいした気分だよ。』

バランス-『あれだけ苛められたのに、少しでも許してあげられる気持ちになれるなんて、心が広いね。』

ジョン-『だってね、僕には”魔法使いになる”っていう、明確な夢があるからね。だからね、担任の先生から、「誰かに苛められているんだっら、相談にのるよ」って言われたけど、「みんないい奴だから、その必要はない」って言ってあげたんだ。』

バランス-『どうやら、A君の首が回らなくなったのは、ジョンの魔法がきいたんだろうね。』

ジョン-『本当?僕が魔法をかけたの?ヤッター!!!やっぱり”魔法使い”は凄いや!本当に何でもできちゃうんだね!!これでもう、恐いものなんてないね!!』

バランス-『よし、時間がないから、今日は一つだけ良いことを教えてあげよう!』

ジョン-『本当?嬉しいな・・・、ワクワクしてきちゃった!』

バランス-『この世の中はね、なんでもそうなんだけどバランスをとることによって、調和が保たれているんだよ。』

ジョン-『調和?』

バランス-『ああ、そうさ、調和だよ。』

ジョン-『調和ってなぁに?』

バランス-『バランスが取れていることさ。』

ジョン-『バランスが取れているってどういうこと?』

バランス-『心地よさ、無の状態、安定・・・ってとこかな。』

ジョン-『なんだか、難しいね。』

バランス-『いや、そんなことないさ。いいかい、今は何かを感じるかい?』

ジョン-『何も感じないけど・・・、どういうこと?』

バランス-『暑いとか、寒いとか、暖かいとか、涼しいとか・・・さ。』

ジョン-『うん、何も感じないよ。ちょうどいい感じだね!』

バランス-『そう、それがバランスのとれている状態さ。暑くもなく寒くもなく・・・、何も感じないのが、無の状態さ。』

ジョン-『無の状態?』

バランス-『暑いとか寒いとか、不快な思いはしないだろう?抵抗や不快な思いがないので、集中して物事に取り組み、何をやっても成功できるさ。』

ジョン-『やっぱり、難しいや。』

バランス-『じゃあ、もっとわかりやくす説明してあげようか。ジョンは魔法使いになりたいんだろ。』

ジョン-『うん。』

バランス-『学校で習った算数と同じさ。プラス5を無にする場合、マイナス5を足してあげれば、ゼロ(無)になるだろ。』

ジョン-『あっ、それね。あのお兄さんに習ったよ。』

バランス-『本当かい?』

ジョン-『うん、本当だよ。凄くわかりやすくて、とても役に立ったもん。』

バランス-『じゃあ、話が早いや。今のジョンは少しだけ、浮かれている(プラス)感じかな。』

ジョン-『うん、気分がワクワクし過ぎて、空でも飛べそうな気分かな・・・。』

バランス-『じゃあ、ちょっと危ないね。』

ジョン-『どういうこと?』

バランス-『今はだって、プラス(喜んでいる)の状態だろ。だから、マイナスを足してあげないとバランスが保たれないだろ。真の魔法使いになる為には、いつまでも喜んでばかりはいられないのさ。』

ジョン-『ふ~ん。』

バランス-『均衡が保たれている状態が一番強くて、精神的にも安定しているのさ。その状態を保てるのが、強運の証なのさ。』

ジョン-『喜んでばかりもいられないんだね。』

バランス-『そうさ。』

・・・・・

A少年の父親-『うちの息子の首が回らなくなったんだよ!誰かいい医者は知らんか!』

警察署長-『えっ?社長の息子さんも首が回らなくなった?』

A少年の父親-『そうだ!』

警察署長-『実は私も首が回らなくて、痛くて痛くてどうしようもないんです。』

A少年の父親-『なんだと!お前も首が回らなくなっただと?いったい、どういうことだ!』

警察署長-『私にもわかりません。ただ・・・。』

A少年の父親-『ただ?』

警察署長-『もしかして、あのマイケルという青年の悪い念が乗り移ったということも考えられますが・・・。』

A少年の父親-『乗り移っただと?なあにバカげたことを言ってるんだよ!!』

警察署長-『でも、治す方法を知っているらしいですよ。』

A少年の父親-『本当か!本当なのか!!!』

24.釈放 最終回 

取調室

警察署長-『やあ、どうだい、気分は?』

マイケル-『別に、普通だよ・・・。』

警察署長-『実はな、最高のプレゼントがお前に届いたよ。』

マイケル-『プレゼント?』

警察署長-『ああ、そうだ。なんだと思う?』

マイケル-『あんたの考えることだから、どうせろくなものじゃないだろうな。』

警察署長-『まあ、受け取るも受け取らないも、お前の自由だからな。』

マイケル-『それで、そのプレゼントっていうのは?』

警察署長-『お前を釈放するということだ。きっちり反省もしただろうし、被害者の方の気分も収まり、しっかりと謝罪さえしてくれれば、それで許してくれるそうだ。』

マイケル-『それで?』

警察署長-『だから、お前を釈放してやる。・・・ただし。』

マイケル-『ただし?』

警察署長-『小学生の首が回らなくて、苦しんでいるんだ。その子を助けてくれるだけでいいんだ。それと俺の首も治してくれ。お前の悪い念を解いてくれれば、簡単なんだろ!』

マイケル-『ほほぉ~、やっぱり裏があると思ったぜ。その小学生っていうのは、もしかして黒幕の子供だろ。』

警察署長-『・・・。』

マイケル-『返事をしないところを見ると、図星みたいだな。』

警察署長-『どうなんだ?治してくれるのか?それともこのままブタ箱で寝泊りするのか?』

マイケル-『このままブタ箱で暮らすのは、まっぴらごめんだ!』

警察署長-『じゃあ、治してくれるんだな!』

マイケル-『ああ。』

警察署長-『よし、じゃあ、まずは俺の首を治してくれ!』

マイケル-『治すのは、俺じゃなくてあんただよ。』

警察署長-『なに?お前じゃなくて、俺が自分で治すのか?』

マイケル-『そうさ、俺はただ、治す方法を教えてあげるだけさ。あとはその通りおっさんが実践するだけだ。』

警察署長-『じゃあ、何をすればいい?教えてくれ!』

マイケル-『懺悔するんだな。それが一番確実に治せる方法だ。まずは、自分の罪を認めるところから始めるんだ。心の底から本当に悪いことをしたと改心した時、おっさんの首も痛みが軽減するだろうよ。俺だけじゃく、今までにも何人もの人を苦しめてきたことだろうよ。黒幕からワイロを貰う為にな。』

警察署長-『・・・。』

マイケル-『できるかな。』

警察署長-『ああ、頑張ってやってみる。この首の痛みにはかえられないからな。』

マイケル-『きちんと、心の底から懺悔しないと、効果はないからな。』

警察署長-『じゃあ、小学生の首はどうやったら治るんだ。』

マイケル-『その子も全く同じだ。』

警察署長-『懺悔しろと?』

マイケル-『そうだ、ジョンという同級生に対して、きちんと謝ってあげることだ。どうやらジョンも、魔法が使えたらしいな。りっぱに成長したもんだ。』

警察署長-『魔法が使えた?』

マイケル-『あっ、何でもない。』

警察署長-『じゃあ、その少年の父親に連絡をとってみる。もし、本当に効果があったら、すぐに釈放してくれることだろうよ。』

・・・・・

A少年-『ジョン、ごめん。』

ジョン-『いいよ、もう。僕は何も怒ってないよ。ある人からね、「人を許すってことも大事なことなんだよ」って教えられたから。』

A少年-『僕の首、見てごらん。こんなに腫れてかっこ悪いだろ。ジョンを苛めたから、きっとバチが当たったんだよ。』

ジョン-『そんなことないよ。君の首を見て、かっこ悪いって思う人の方が、よっぽど格好悪いと思うな。』

A少年-『本当かい?じゃあ、僕がこの格好で学校に行っても、皆笑わないかな?』

ジョン-『大丈夫だよ。皆いじめたりしないよ。』

A少年-『明日から、学校に行こうかな・・・。でも、一人じゃ恥ずかしいな・・・。』

ジョン-『だったら、僕が一緒に行ってあげるよ。』

A少年-『本当かい?』

ジョン-『ああ、本当だよ。』

A少年-『こんな僕でも許してくれるのかい?』

ジョン-『うん、だって友達じゃないか。それにさっき謝ってくれたんだから、僕とても嬉しかったよ。』

A少年-『ありがとう・・・。』

・・・・・

A少年の父親-『息子の首の痛みと腫れが消えてきたみたいだ。約束どおり、あいつを釈放してやれ。』

警察署長-『わかりました。』

A少年の父親-『ところで、お前の首はどうなった?』

警察署長-『私の首も、痛みが引いてきました。』

・・・・・

バランス-『やあ、久しぶり!』

マイケル-『バランスさん、懐かしい!会えて嬉しいです!』

キャサリン-『お帰りなさい!』

マイケル-『お出迎え、有難う!』

ジョン-『お兄さん、元気だった?』

マイケル-『ジョンもお出迎えに来てくれるなんて、ありがたいね。俺がここから出られるのも、ジョンのおかげのようなものさ。』

ジョン-『僕も役にたったの?』

マイケル-『そうだよ。A少年の首が回らなくなっただろ。あれはきっと、ジョンが宝捜しをした結果なんだろうなって思ったよ。そのおかげで、A少年の父親の気持ちも弱気に傾いたからな。』

バランス-『一件落着だね。』

マイケル-『ところで、ジョン。そのストライプ柄のパンツ、お洒落だね。』

ジョン-『うん、あのいじめっ子が首が腫れてて学校に行くのが恥ずかしいっていうから、僕が毎日一緒に学校へ行ってるんだ。そのお礼にって、プレゼントしてくれたんだよ。やっぱり、魔法使いは最高だよ!!!』

最後までお読み頂き、有難うございます。

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      2023/02/21

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