お金持ちの習慣 マイケルの物語・株式投資編2

5.自分はいつも試されている

バランス-『元気がないようだね。』

マイケル-『実はA社の株が3000円まで値上がりしちゃったんですよ。売らないでまだ持っていれば、に・しゃ・く・万円も儲かっていたのに・・・。』

バランス-『でもね、マイケルはまだ200万円儲けられる器じゃないんだよ。50万円の儲けがマイケルにはちょうどいい金額なんだよ。それにまた運を発生させる絶好のチャンスじゃないか。今回はマイナスの事が起きたんだよね。本当はマイナスでも何でもないけど、マイケルは儲け損なったと思っているね。じゃあどうすればいいか、言わなくてもわかるよね。プラス思考するんだったよね。マイケルはすでに50万円儲かっているんだから、他の人も儲けられるように売った後に値上がりしたら喜んであげればいいじゃないか。

マイケル-『言ってることはわかるんですけどね~。でも、なかなかそう簡単にプラス思考ってできないんですよね。』

バランス-『1500円で売ったんだよね。それじゃあ、売った後に1600円まで上がった時の気分はどうだった?悔しかったかい?』

マイケル-『1600円まで上げてた時は全然なんとも思わなかったな~。』

バランス-『それじゃあ2000円まで上がった時はどうだったろう?悔しかったかい?』

マイケル-『2000円まで上がった時はとても悔しかったです。自分が儲かっているのになんだか変な気分でした。』

バランス-『50万円の儲けそこないで悔しがっているということは、マイケルにとっては50万円の儲けが限界なんだよ。それ以上は無理なんだよ。なぜだかわかるかい?50万円の儲けそこないで悔しがってるということは、逆に50万円儲けた場合は嬉しくてしょうがないという気分になるはずだよ。だから50万円儲ける前に我慢できなくて必ず途中で売却しているはずだよ。200万円儲け損なっても悔しがらない人は、自分の持っている株が200万円の儲けになっても平然として売らずに持っていられるんだよ。』

マイケル-『なるほど、それも一理ありそうだな~。株ってけっこう心理的な面にも作用されるんですね。それじゃあ売った後はもっと上がりますようにって考えればいいんですね。それって相当心が広くないと無理ですね。』

バランス-『そうかな~。自分だけじゃなくて、他の人も幸せになった方がいいと思わないかい?』

マイケル-『そうですね。でも今回は自分が儲けられたからそれほどショックはないけど、自分が損をしていたらとてもじゃないけど他人の幸福を喜ぶなんてできないな。』

バランス-『自分が損をしている時は他人の儲けを喜ぶ事ができない。まあ、それは人間としてごく普通の心理だね。マイケルが株で損をしているのに、他人が儲かっているのをマイケルが喜んでいるという状況を、仮に神様が空から見ていたらどう思うだろうか。他人が儲かっているのに喜んであげれるんだから、当然マイケルもたくさん儲かっているのだろうって思うだろうね。でも実際、マイケルは儲かっていない。これはおかしい!って神様は思うわけだ。そこで後からマイケルにもお金がプレゼントされるんだよ。この間パソコンを買ってあげたのがいい例だよね。』

マイケル-『へえ~、じゃあお金持ちになりたかったら自分の態度や言葉や考え方をお金持ちのように振舞わなければならないんですね。そうすればお金は黙ってても後からプレゼントされるんだ。』

バランス-『その通り。他人の儲けも素直に喜んであげること、すなわち自分がお金持ちであるということを証明していることになるんだよ。同じように他人の幸せを喜んであげられるということは、自分が幸福であるということを証明している事になるんだよ。』

マイケル-『へえ~、面白いな~。じゃあ財布を拾った時に警察へ届ければ、自分はお金持ちだということを証明していることになるんだ。逆にそれを自分の物にしてしまうと貧乏人であるということを証明していることになるんですね。いわれてみれば、お金持ちの人が財布を拾ったって喜ばないだろうしやっぱり警察に届けるだろうな。なんだかテストを受けているみたいですね。

財布を拾ったり、株で儲けたり損したりして、一つ一つの場面でその人がどういう態度をとるかどんか考え方をするかテストされてるんですね。

次のステップに進むにはそれに合格しないとダメなんですね。』

バランス-『よくわかったね。もし自分にマイナスの事が起きた場合、それはテストだと思えばいい。そしてそれに合格(プラス思考)した時に初めて、自分の欲しい物が手に入れられるんだよ。そしてまた次のステップに進める。この世の中を見ればわかるよね。テストに合格した人はどんどんお金持ちになっていくけど不合格だった人はどんどん貧しくなっていくんだよ。』

6.直感は運が発生した結果

マイケル-『バランスさん、久しぶりで~す!』

バランス-『やあマイケル、本当に久しぶりだね~。でも相変わらず元気そうだね。』

マイケル-『はい~!元気だけが取り柄ですから!バランスさんも元気そうで良かったです。ところで今日は見てもらいたいものがあるんですよ。』

バランス-『なんだね。』

マイケル-『実はですね~。株の分析ソフトを買ったんですよ。すごいのなんのって・・・。買うタイミングと売るタイミングがズバリ出るんですよ~。これで僕も億万長者間違いなし!バランスさんもパソコン持ってますよね。それに入れてちょっと見てみましょうよ。』

バランス-『じゃあ入れてみるね。・・・ほう~いろんな指標を使っているんだね。サイコロジカルライン、出来高、移動平均線・・・。全てソフトが判断してくれるっていうわけだ・・・。これは楽でいいかもね。』

マイケル-『でしょ!でしょ!これで銘柄を買う時にあれこれ迷う必要もないし。実はですね今、○○物産に買いのシグナルが出てるんですよ。明日注文を出して買うつもりです。また大儲け間違いなしですね、でへ・・・。ところでバランスさんはもっとすごい物を使ってるんでしょうね。』

バランス-『私はね、そういうソフトは使わないんだよ。どちらかというと直感で買うことが多いね。もちろん買う前にいろいろ調べて分析することも欠かさないけどね。』

マイケル-『へ~それは意外だったな~。バランスさんのことだからいろんなソフトを使いこなして売買していると思っていたんだけど。』

バランス-『私もね、昔はいろいろなデータを元に売買していたよ。でもデータはあくまで過去のものだよね。過去のものがそのまま現在に通用するかどうかは不確かだよね。例えばバブルの時には不動産は絶対に値下がりしないと言われてきたんだけど、結局時代が変わってその当時言われてきた「土地神話」というのは崩壊してしまったんだよ。』

マイケル-『へぇ~。』

バランス-『確かに株を買う時にはいろいろ分析をするけど全て自分で判断しているよ。さっき直感で買うって言ったよね。直感で買うっていうのはどういうことなんだろう?自分が自分を信じていると言えないだろうか。もしマイケルが会社の上司から、重要な仕事に対して【君の判断に任せるよ】と言われたら嬉しいだろう。それと同じで自分の直感で物事を判断した時にはもう一人の自分が【信頼されている】と思って、物凄く喜ぶんだよ。マイケルは誰かに信頼されているだろうか。他人が自分のことを信頼してくれなくても、せめて自分が自分を信頼することはできるよね。』

マイケル-『へぇ~、直感か~。でも俺は感が悪いからダメだよな~。今までだって株を買う時に【この株は絶対に上がる】と思っても、実際に儲かったことがないんだからな~。まあ早い話、運がないんだけど。』

バランス-『それにマイケルはもう、運を引き寄せることができるようになったんだから自分の能力を信じた方がいいと思うよ。仮に結果がマイナスでも、それをプラス思考すればいいだけじゃないか。直感で【こうした方がいいだろう!】って思うのは頭の中だろうけど、果たしてそれは何処から出てきたものなのだろうか。本当に自分の頭の中から出てきた考えなのだろうか?ひょっとしたら誰かがメッセージを送っているかもしれないよ。そして、

その直感っていうのは運やエネルギーが発生したおかげかもしれない。

そう考えることができないだろうか。』

マイケル-『ということは運のいい人ほど、直感を使ったほうがいいことになりますね。何か自分の身にマイナスのことが起きて、それをプラス思考しますよね。すると運が発生して自分の欲しい物を得られる。もし欲しいものが得られなかった場合は別な形で受け取る場合もある。それが【直感】で、その【直感】を使い行動して得られた結果が自分の欲しいもの。ということになるんでしょうか?』

バランス-『よくわかったねマイケル、その通りだよ。感のいい人と悪い人がいるけど、ようは運がいいか悪いかの違いに過ぎないんだよ。プラス思考やマイナス思考のできない人がいくら直感を使っても、自分が思い描いたとおりの結果にはならないだろうね。直感は運のいい人の特権なんだよ。頭の中で得られたひらめきや考えは運のいい人にとって、紛れもなく運やエネルギーが発生した結果なんだよ。だから運のいい人が【直感】を使わないのは宝の持ち腐れになるだろうね。そしてその直感を使って結果をプラスにしたいのなら、必ず【心地よい感じ】がするはずだよ。その心地よさがエネルギーの発生した【直感】なんだよ。』

マイケル-『そうなんだ、ふむふむ。』

バランス-『例えばマイケルが株を買う時にA社とB社を比較したとしよう。A社は業績もいいし大手だから安心して買えるかもしれないけど、B社は現在の業績はパッとしないが将来性がありそうなので買うことに決めた。そのB社を買うと決めた時にマイケルが心地よい感じにならないとダメなんだよ。だから直感で物事を決めようとした時に心地よさがあるかどうかが大事だと思うよ。対極である冬と夏とによって発生されるエネルギーが春という暖かさだね。春のポカポカとした陽気はとても心地がいいよね。エネルギーが発生するというのは必ず【心地よさ】があるんだよ。【心地よさ】があればその直感はエネルギーが発生した証拠だろうね。』

マイケル-『心地よい直感か~。でもせっかく高価なソフトを買ってしまったので、銘柄選びはソフトにまかせます。そしてその銘柄を買う時に心地よい感じがするかどうかも参考にしてみます。今日はどうもありがとうございました!おやすみなさい。』

7.思考は現実化する 最終回

マイケル-『この間、分析ソフトで選んだ株が値下がりしましたよ。でも、心にゆとりができました。いつもの自分だったら悔しくてしかたがないはずなのに、今回はとても冷静でいられます。』

バランス-『勝負事で一番大事なのは、常に冷静でいられることだよね。普通、持っている株が下がった場合には、【悔しい】という感情が心の中を支配することになるよね。それは結果によって心が変化していることになるね。値下がり(マイナス)した時に悔しい(マイナス)と思ったらどうなるだろう。運がなくなってしまうよね。そうすると毎日が満たされない気分で生活することになるだろう。周りに振り回される人生は止めた方がいい。発想を思いっきり転換して逆のことを考えたらどうだろうか。』

マイケル-『どうやって発想を転換するんですか?』

バランス-『株を買ったときに

【値下がりしますように】

って考えるんだよ。』

マイケル-『え~!そんなバカな!心にもないことを考えられるわけがないじゃないですか!常識からかけ離れたバランスさんの考え方には大分慣れてきましたが、さすがに自分に嘘をつくようなことは考えられないな~。』

バランス-『マイケルよく考えてごらんよ。マイケルが株を買った時に、その反対にマイケルに株を売った人がいるわけだ。その人はもしかしたら株がまた安くなったところで買い戻そうと思っているかもしれないね。他人の幸福を喜んであげればいいじゃないか。マイケルはお金に苦労している人間じゃない。マイケルは既にお金持ちなんだよ。そう自分で思わないとダメなんだよ。大金持ちになった時の自分を想像してみるといい。そして自分に【僕は既に億万長者なんだ】と言い聞かせてご覧よ。』

マイケル-『もし仮に今の僕が大金持ちだったら、株価がちょっとやそっと下がったくらいではびくともしないだろうな。そして自分が損をしていても、他人が儲かったら喜んであげられるだろうな。だって大金持ちなんだから!!』

バランス-『マイケルに教える事はもう何もない・・・、でも最後に一つだけ大事なことを教えたいんだ。』

マイケル-『え~もう終わりなんですか!もっともっといろんな事を教えてもらいたいのに。それに僕はまだお金持ちになったわけではないし。』

バランス-『いや、すでにマイケルはお金持ちになったんだよ。これがマイケルに教える最後の話だからよ~く聞くんだよ。とてもとても大事なことなんだ。【思考は現実化する】っていうのはよく耳にする言葉だよね。全くその通りなんだよ。でもほとんどの人は間違った使い方をしているんだよ。マイケルが【お金がたくさん欲しい!】と強く願ったとしよう。そして5年後、10年後にはお金に苦労しているマイケルがそこにいるんだ。マイケルの思考が現実化したことになるんだ。』

マイケル-『願いが叶ったことにはならないじゃないですか。だって【たくさんお金が欲しい!】って願ったんですよ。すっごい、矛盾してますよ。』

バランス-『いや、矛盾しているどころかまさに思考が現実化してるんだよ。いいかい、よ~く聞くんだよ。10年後もお金に苦労しているということは、どういうことなんだろうか。そこには【お金がたくさん欲しい】と強く願っているマイケルがいるんだ。【お金がたくさん欲しい】と思えば、お金をたくさん欲しがっている現実が創造されるんだよ。だから【欲しい!】と思えば、何年か後にはお金を欲しがっている自分が創り出されるんだよ。思考を現実化したいのなら【私はたくさんのお金を持っている】って考えないといけないんだよ。【欲しい!】ではなく、【既にある】と思えばいいんだよ。』

マイケル-『ちょっ、ちょっと待ってくださいよ。頭が混乱してきましたよ。【欲しい !】って思ったらダメなんですね。そう考えるといつまで経っても、【お金のない】状態が続くんですね。何故かというと【お金がない】というのはお金を欲しがっているのと同じことだからですね。でもお金持ちでもないのにどうやって【自分は金持ちだ】なんて考えることができるんですか?』

バランス-『簡単だよ。お金持ちになったつもりで行動すればいいのさ。お金がなくてもできることだろう。例えば買い物をした後に、つり銭が500円足りないことに気がついた。普通は店員さんに文句を言いに行くだろう。お金持ちの人だったらこの場合、どういう行動をするだろうかって考えた方がいい。たかだか500円位でお金持ちの人が文句を言いに行くだろうか。でもお金に困っている人はたった500円でも貴重なお金かもしれない。それだったらレシートを見せて500円を貰いに戻ればいい。でも間違っても文句は言わない方がいい。逆におつりが1000円多かったらどうするだろうか?もちろんお金持ちなんだからその場ですぐに返すのが当たり前だよね【自分はお金をたくさん持っている】って思考すれば、10年後には、お金持ちになっているはずだよ。思考は現実化するというのはこのことを言うんだよ。』

マイケル-『へぇ~、驚いたな~。』

バランス-『お金を持っていなくても【持っている】と思考するんだよ。そして毎日がつまらなくても【幸せ】だって思考するんだよ。マイケルの周りにもいろだろう。毎日、口癖のようにつまらない、つまらないって言っている人が・・・。

その人の3年後、5年後は必ずつまらない人生を送っているはずだよ。

だって思考は現実化するんだからね。逆に1年前、5年前にもその人は毎日、つまらないって言っていたはずだよ。きっとマイケルはお金持ちになって豊かな生活を送れるようになるよ。これで暫くはお別れだね。』

マイケル-『なんだか、寂しいな~。本当に今まで有り難うございました!バランスさんのおかげで、少し心が豊かになれましたよ。お金も儲けられたけど、それよりももっと大事なものを得ることができました。だってマイナスのことは全てプレゼントに変換できるなんて、人生とても前向きに生きられますよね。また、遊びに来てもいいですか。』

バランス-『あ~、いいとも。また、来るのを楽しみにしているよ。』

マイケル-『今度来る時は、一本何万円もするようなワインをもってきて驚かしてあげますよ。』

バランス-『じゃあ今日は、家にある安物のワインで乾杯しようか!マイケルの未来に乾杯!!』

マイケル-『バランスさんの残り少ない未来にもカンパ~イ!!!』

バランス-『おいおい。』

最後までお読み頂き、有難うございます。

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      2023/02/21

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