心が癒される話・2 天からのメッセージ
サンタクロースの物語・2
1話.サンタクロースとの再会
「あれっ、こんなところにサンタクロースが寝てる。ねえ、サンタさん起きてよ。」
「ふぁ~、眠たい。」
「サンタさん、久しぶりだね!」
「あれ、君は、スニーカーをあげた少年だよね。」
「そうだよ、よく覚えてくれたね。嬉しいなぁ。サンタさんのこと好き!!」
「僕も君のことが好きだよ。」
「でも、どうしてサンタさんは、こんなところで寝てたの?」
「いや~、ちょっとうとうとしてしまってね。」
「寝不足なの?」
「うん、夜アルバイトしているからね。だから、昼間は眠たいんだ。」
「じゃあ、サンタさん、うちで寝ていきなよ。こんなところて寝てたら、寒くて風邪をひいちゃうよ。」
「そうだね、でも、人の家で寝ているところを見られたら、神様に怒られちゃうからね。」
「神様って、怖いの?」
「怖くはないよ。神様はとても優しい人さ。」
「じゃあ、ボクの家で休んでいきなよ。ついでに、ご飯も食べていくといいよ。」
「でも、もうそろそろ日が暮れるだろ。プレゼントを届けに行かなくちゃ。」
「ボクも手伝っていい?」
「もう遅いから、お母さんが心配しているよ。」
「でも、サンタさんと一緒にいたいな~。」
「じゃあ、今日は忙しいから、明日僕と一緒に遊ぼう。」
「本当?嬉しいな~!!」
「明日のお昼にまたここで会おう。」
「わかった。じゃあね、サンタさん。」
2話.宇宙の果てまで旅行する?
「ふぁ~、眠い・・・。」
「おい、サンタ!こんな所で何やってんだよ!」
「人と待ち合わせをしていてね。」
「サンタクロースが人と待ち合わせだと?サンタクロースは皆にプレゼントを配るのが仕事なんじゃないのか。」
「まぁ、そうですけどね。」
「じゃあ、俺にプレゼントをよこせよ!」
「いやぁ、今日は子供のプレゼントしか持ってきてないから。」
「何だと~、大人には何もくれないっていうのか!」
「当たり前じゃないですか・・・、子供たちは皆、サンタクロースのプレゼントを楽しみにしているんだから。」
「俺だって、サンタクロースのプレゼントだったら、欲しいけどな。」
「わかりました。お菓子でいいですか?」
「お菓子でいいよ。今お腹空いてるからな。」
「じゃあ、チーズ味、チョコレート味・・・どれがいいですか。」
「チーズ味?チョコレート味?クリスマスだから、ショートケーキかな?(お腹が空いてるから丁度良かった!)」
「そうそう、コーンポタージュ味とめんたい味とたこやき味もありますよ。」
「コーンポタージュ味とめんたい味とたこやき味?(随分と変わっているケーキだな・・・。)まぁ、いいや、チーズ味を貰おうか。」
「はい、わかりました。じゃあ、これをどうぞ。」
「なんだよ、うまか棒じゃねえかよ!!」
「そうですよ、子供が喜ぶお菓子を持ってきてますからね。」
「ふざけんな、ちくしょ~!!」
~~~~~
「あっ、サンタさんだね。遅れてごめんなさい。」
「待っていたよ。さぁ、何処に行こうかな?」
「サンタさんと一緒なら、どこでもいいよ。」
「好きな所に連れて行ってあげるから、遠慮しないでいいよ。」
「本当に?」
「あぁ、何なら宇宙の果てまで、案内してあげるよ。」
「わぁ、本当なの?それは、凄いや!!!」
3話.サンタさんは10万光年離れた星からやってきた?
「ねぇ、サンタさんの家に遊びに行ってもいい?」
「僕の家に来るのかい?」
「うん、だってサンタさんが住んでる星に行ってみたいんだもん。」
「地球から10万光年離れているけどね。」
「10万光年!!?」
「そうだよ。」
「10万光年って、どういう事なの?」
「光が1年かかって進む距離を1光年と言うんだよ。」
「じゃあ、光と同じ速度で進んだとしても、10万年かかるっていう事なの?」
「まぁ、数字上はそういうことになるね。でもね・・・。」
「でも?」
「向こうの星では、空間移動ができる乗り物があるんだ。」
「空間移動?」
「そうだよ。そこの木陰に隠してあるから、それに乗っていこう。」
「へぇ~、宇宙船ってこんな風になってるんだね。でも、小っちゃいね。」
「そうだね、一人乗り用だからね。」
「一人乗り用だったら、僕が乗っても大丈夫なの?」
「子供が一人乗るくらいなら大丈夫さ。」
「さあ、じゃあ行くよ。ピッポッパッ。」
「何してるの?」
「僕の家の住所を入力したのさ。こうすれば、自動的に目的地に着くからね。」
「へぇ~、凄いんだね。あっ、動いた!」
「揺れるから、ちょっとつかまっててよ。」
「うん。」
「ガタガタガタガタ・・・、キィーーーーン。」
4話.サンタクロースはお金持ち?
「はい、着いたよ。」
「は、早い。もう着いたの?ここがサンタさんの家なの?」
「そうだよ。ちょっと狭いけど、一人で暮らすには十分だからね。」
「へぇ~、日本の家と変わらないんだね。」
「そうだね~。でも実際には、日本の家より、もっと小さいよ。」
「ねぇ、窓の外、見てもいい?」
「いいよ。」
「うわぁ、綺麗な海だね。海の近くに家があっていいな~。」
「ここは、別荘地だからね。」
「別荘?」
「そうだよ。この星に住む人は皆、普通に暮らす家の他に、好きなところに別荘を持っているからね。」
「サンタさんは、失業中なのに、お金持ちなんだね。」
「そんなことはないさ。でもこの星に住む人達は皆、生活に困っている人は誰もいないと思うよ。全てが揃っているんだ。」
「僕の家とは大違いだね。」
「この星は資源が豊富だからね。他の星にその資源を売って儲けているのさ。地球で言えば、アラブのオイルマネーみたいなもんかな。」
「皆、お金持ちなんだね。」
「皆、働く必要はないんだ。ほとんどの人は運動の為に、ボランティアで働いているよ。争い事もないし、ケンカもないし、全てが満たされている星なんだ。」
「へぇ~、まるで天国みたいだな。」
「だからこうやって、貧しい星に来て、プレゼントをあげる為に来たんだよ。サンタの役は、当番制になっているんだ。でも僕は今、失業中だから、当番制に関係なく、やらせてもらっているんだ。そうだ、これから街に出かけようか。」
「どんな街なんだろう?宇宙人って、怖いのかな。」
「ここの星の人は、皆親切でいい人しかいないよ。」
5話.サンタクロースの星は、小人の集まり?
「ここが街なの?皆、小人みたいで、小さいね。なんか僕、ゴジラになった気分。」
「そうだね、ちょっと待ってよ。この星のサイズに合わせないとね。」
「何をするの?」
「君の体を小さくするのさ。」
「僕の体を小さくしたり、大きくしたりできるの?」
「あぁ、できるとも。じゃあ、ちょっと光を当てるから、そのままジッとしていてね。」
「うん。あぁ~~~、だんだん小さくなっていく~。」
「さあ、この街にピッタリのサイズになったね。」
「どうして、この星の人は皆、小さいの?」
「小さい方が、効率的だろ。それに、食料も住むところも、お金がかからなくて経済的だしね。」
「へぇ~、なるほどね。」
「どうだい、この星の街は?」
「皆笑顔でイキイキしているね。本当、なんだか楽園って感じがする。僕もここに引っ越ししてこようかな。食べ物にも困らないし、働かなくても生活できるんだから、羨ましいよね~。僕なんか、毎日勉強だもん。」
「でも、地球には地球のいいところがあるだろう。いっぱい勉強して苦労したら、その分喜びも倍増するからね。」
「あれっ、目の前の人が消えたよ!」
「たぶん、家に帰ったんじゃないかな」
「でも、消えたよ!!」
「この星には仮想道路があるからね。」
「仮想道路?」
「そうさ、目には見えないけど、自宅から街や森や海に行く道路が作られているんだ。」
「へぇ、やっぱりサンタさんの星は凄いな~。」
6話.サンタクロース地球に戻る
「やあ、何をやってるんだ。」
「今、地球の子供を街に案内しているのさ。」
「そうかぁ。でも、他の星から子供を連れて来ない方がいいぞ。誘拐犯で捕まってしまうかもしれないからな。」
「脅かさないでくださいよ。一通り見物したら、向こうの星に帰しますから。」
「トゥルル~。あっ、お母さん。今ね、サンタさんの星に遊びに来てるんだ。」
「サンタさんの星?何バカな事言ってるのよ!もう、夕飯の時間だから、早く帰ってきてね。パパも心配しているから。」
「うん。わかった。じゃあ、帰るね。」
「誰からの電話?」
「お母さんから電話でね。夕飯の時間だから、早く帰っておいでって。」
「そうかぁ、お母さん心配しているね。じゃあ、もう帰ろうか。」
「残念だなぁ。せっかく色んなところを探検できると思っていたのになぁ。」
「まぁ、また連れ来てあげるよ。」
「だって、サンタさんは1年に1回しか来ないから、来年にならいとと会えないね。」
「そうだねぇ。じゃあ、地球に戻ろうかぁ。」
「うん。」
~~~~~~~
「さぁ、急がなきゃ。今日中にこのプレゼント配り終えないと、帰れなくなっちゃうからな。よし、まずは、あそこの家から行こう。」
「そこにいるのは、誰?もしかして、サンタクロース?」
「あれっ、見つかったかな。」
「その恰好だったら、サンタさんだって、すぐわかっちゃうよ。」
「こんな夜中にどうしてるんだい?」
「うん、今ね、おしっこで起きちゃったの。」
「そうかぁ、ちょうど悪いタイミングで入ってきちゃったみたいだね。」
「もしかして、僕にプレゼントくれるの?」
「そうだよ。キミの欲しいものを持ってきたよ。」
「何を持ってきたの?」
7話.少年がサンタさんの代わりになる?
「さぁ、中身を見てごらん。」
「うわぁ、サッカーボールだぁ。どうして僕の欲しいモノがわかったの?」
「君の願いは、全て向こうの星まで、届くようになっているんだ。」
「へぇ、そうなんだ、嬉しいな。」
「じゃあ、また次の家に行かないといけないから・・・。」
「うん、ありがとう。」
~~~~~~~
「よし、次はこの家か・・・。ちょっと待てよ、この家の煙突は狭くて入れそうにないなよな~。」
「サンタさん!!」
「うわぁ、ビックリしたね!」
「ビックリした?」
「うん、ビックリしたよ。どうしたんだい?こんな時間に・・・。」
「眠れなくて、外を見ていたら、サンタさんが煙突に登るところが見えたんだよ。だから慌てて、駆けつけてきたんだ。」
「そうだんったんだ。でも、タイミングがいいね。実は、この家の煙突なんだけど、狭くて入れそうにないんだよ。もうちょっとダイエットしとけば良かったかな。」
「じゃあ、僕が代わりに、プレゼント届けてあげるよ。」
「本当かい?君は優しい子だね。」
「サンタさんの役に立ちたいから・・・。」
「じゃあ、せっかくだから、キミに頼もうかな。」
「うん、いいよ。」
「じゃあ、これを持っていってくれるかい?」
「煙突の中に入って、プレゼントを置いてくればいいんだよね。」
「そうだよ、じゃあ、頼むね。」
8話.クリスマスプレゼントの箱の中身は何?
「うわぁ、煙突の中、真っ暗で何も見えないや。それにつかまるところもないし。あぁ~~~~、落ちる~、助けて~、ズドンドン。」
「誰なの、そこにいるのは、泥棒ね。ママ~~!!!泥棒が~」
「ちょ、ちょっと待ってよ。僕はサンタさんの代わりに来たんだよ。だから、怪しいモノじゃないからさ。」
「本当?」
「本当だよ。ここの煙突ね、狭いからサンタさんが入れないんだ。だから僕が代わりに来たのさ。嘘だと思うなら、外を見てごらんよ、サンタさんがいるでしょ。」
「でも、私いま、具合が悪くて動けないの。」
「どうして、動けないの?」
「病気なの。もう、1年寝たきりよ。」
「そうだったんだ、可哀想だね。」
「・・・・・。」
「じゃあ、サンタさんからのプレゼントあげるね。あれ、どこに行ったのかな。あったあった・・・。でも、ずいぶんと小さな箱だな。」
「何が入ってるのかしらね。」
「なんか、ごめんね。こんな小さいプレゼントで・・・。サンタさんに言って、他のプレゼントと交換してもらおうか。」
「いいのよ、そんな事しなくて。せっかくのサンタさんからのプレゼントだもの。」
「じゅあ、箱を開けてみてよ。」
「うん。」
「何が入っているの?」
「なんだか、薬みたいね。何の薬かしら。」
「飲んでみたら?」
「じゃあ、飲んでみるわね。ゴクッ・・・。」
「どう?」
「なんか、凄く苦いわね。」
「・・・・・。」
「あれ?不思議ね。体が元気になってきたわ。」
9話.病気はゆっくり治すのがいい?
「薬を飲んだおかげで、元気になったわ。ありがとう。」
「僕は何もしていないから、サンタさんにお礼を言ってよ。」
「うん、窓の外にサンタさんいるかしら。」
「たぶん、外で待ってるから、見えると思うよ。」
「あぁ、サンタさんがいる~。こっちを見て、手を振ってるわ~。サンタさんって、本当にいるんだ~。」
「元気になって良かったね。じゃあ、僕は帰るから。」
「ありがとう。サンタさんにお礼を言ってね。」
「うん、わかった。」
~~~~~~~
「薬を飲んだら、病気が治っちゃったよ。」
「よく効く薬を貰ってきたからね。」
「サンタさんは、何でも知ってるんだね。」
「君たちの思いは、全部天まで届いているからね。でも、あの子は、またすぐに具合が悪くなるよ。」
「えっ、せっかく薬を飲んで元気になったのに、どうしてなの?」
「あれはね、一時的に良くなる薬なんだ。その方が体に負担がなくていいのさ。あれだけ症状が重いとね、その場ですぐに治せる薬だと、ちょっと危険なんだよ。だから、徐々に体を慣らしていく方が、体には安全なんだよ。」
「そうなんだ。」
「だからまた一か月後に、あの子に薬を渡してくれるかい?」
「僕が届ければいいんだね。」
「できるかい?」
「うん、サンタさんのお願いだから、ちゃんと約束は守るよ。それに、あの子の役にも立ちたいから。」
「君は優しい子だね。じゃあ、頼んだよ。」
「うん。」
10話.引き寄せるモノは心の波動で決まる
「もうお別れだね。」
「寂しいな~。もっとゆっくりしていけばいいのに。」
「他の星にも届けないといけないからね。地球よりも、もっと貧しい人が住んでいる星がいっぱいあるからね。」
「そうなんだ、残念だな~。僕ね、大人になったら、宇宙飛行士になりたいな。」
「それは大きな夢だね。」
「うん、宇宙飛行士になって、サンタさんの星まで、遊びに行くんだ。」
「じゃあ、それまで一生懸命頑張って、勉強しないとダメだね。」
「うん。でも、サンタさんの星は、どうしてあんなに豊かなの?」
「引き寄せているのさ。」
「引き寄せている?」
「人は皆、波長の合うものを引き寄せるようになっているのさ。」
「波長?難しいな~。僕にはちょっとわからないや。」
「心の中の世界と、現実の世界は一致するっていうことだよ。」
「う~ん、それでも僕には難しいや。」
「心の中は、見ることはできないけど、感じることはできるだろう。」
「うん、それならできるよ。」
「嬉しいとか、悲しいとか、イライラするとか、ワクワクするとか・・・。」
「心の中の気持ちが、外の世界をつくりだすってことなの?」
「そうさ、その通りさ。」
「じゃあ、いつもハッピーって思っていればいいの?」
「よくわかったね。」
「でも、あまりハッピーな事ないんだよね。」
「それは、目の前の現実に目を奪われているからさ。」
「サンタさん、変なこと言うね。だって、目の前のことに目がいくのは、当たり前だと思うんだけど・・・。」
「確かに、そうだね。でもね、ちょっと考えてごらんよ。君はプレゼントを貰ったら嬉しいかい?」
「うん、嬉しいよ。」
「じゃあ、プレゼントが貰えなかったら?」
「う~ん。」
11話.幸福感を持つと欲しいモノは手に入れられる
「君は、プレゼントが貰えないと、嬉しくないのかい?」
「そんな事はないけど。やっぱりプレゼントが貰えると嬉しいな。」
「じゃあ、今はどうなんだい?」
「今は普通かな~。学校も楽しくないし、勉強も楽しくないし・・・。」
「キミは、マイナスに目を向けているだろう。それが地球人の特徴さ。」
「だって、ついつい目がいっちゃうんだもん。勉強なんか楽しくないよ。サンタさんだって、勉強嫌いでしょ。」
「そうだね、確かに勉強は楽しくないかもしれないね。」
「ほら~、やっぱりサンタさんだって、同じだよね。」
「でもね、だからといって、つまらないとは思わないよ。勉強だって、色んなことを覚えると楽しいと思うけどね。」
「じゃあ、サンタさんは、幸せなの?」
「あぁ、幸せさ。」
「でもサンタさんだって、こんな遠くの星まで来るのは辛いでしょ。」
「そんなことはないよ、皆の喜ぶ顔が見れると、幸せな気持ちになれるからね。キミだって、僕がプレゼントをあげたら、喜んでくれるだろう。」
「うん、サンタさんのプレゼントなら、何でも嬉しいかな。」
「プレゼントなんてなくても、幸せなはずだよ。食べるものだってあるし、住むところだってあるし、着るものだってあるし、親もいるし、お小遣いも貰えるし・・・。」
「でも、それだったら、皆も同じだと思うよ。」
「地球の人は皆、それが当たり前だと思っているのさ。」
「僕の星はね、皆、何でも感謝して過ごしているんだよ。」
「感謝って大事なんだね。」
「そう、幸福感をいつも持つようにすることだね。そうしたら、いつでもほしいモノが手に入れられるようになるよ。」
最後までお読み、頂き有難うございます。
2021/10/14