心が癒される話 天からのメッセージ

サンタクロースの物語

1話.幸せを探しに出かけよう

幸せになりたい?

でも、幸せになれない?

どうやったら、幸せになれるのか?

答えは、簡単かもしれない。

・・・・・

お金がないのなら、頑張って仕事を”探す”ことでしょう。

財布を落としたのなら、来た道を戻って必死で”探す”ことでしょう。

幸せがないのなら?

あなたが今、やらなければならない事は、幸せを探すことかもしれないね。

ある街に、プレゼントをたくさん抱えたサンタさんがやってきました。

しかし、全ての人にプレゼントを手渡すほどの数はありません。

そこで、幸せを必要としている(探している)人に、与えることにしました。

しかし、それでもプレゼントの数の方が少ない。

サンタさんは考えました。

「・・・・・」

喜んでくれる人だけに、プレゼントを与えようと決めました。

その方が相手も幸せになれるし、サンタさんも幸せになれる。

あなたは、幸せを見つける努力を怠っているかもしれない。

苦しいかもしれない、辛いかもしれない、涙がいっぱい出るかもしれない。

そんな状況だって、幸せを見つけることはできるはず。

苦しい時に、誰かが優しい言葉をかけてくれたかもしれない。

辛い時に、誰かが励ましてくれたかもしれない。

そんな暗い夜こそ、空を見上げて星(幸せ)を見つけるといい。

暗い夜空に輝く星ほど、目立つものはない。

サンタさんは、それを目印にしてプレゼントを届けてくれる。

サンタさんも、昼間は仕事が忙しくて、活動するのはどうしても夜になってしまう。

だから苦しい時には、幸せ(星)を探すといい。

星の輝きが小さければ、サンタさんが見逃してしまうかもしれない。

それは、もったいない!

だから、幸せを見つけたのなら、感謝して喜ぶといい。

そうすれば、あなたの星は他の誰よりも輝いてくれる。

幸せは必ず、あなたに届けられるはず。

2話.君の思いは天まで届く

今年も街に、サンタさんがやってきました。

でも、そのサンタさんが現われたのは、何故か昼間でした。

なので、街中、大騒ぎになり、

サンタさんの周りには、たくさんの人だかりができました。

ある男が「今日は何を持ってきたんだ?」と質問をしました。

すると、サンタさんは、こう答えました。

「実は、今日はプレゼントを持ってこなかったんだ。」

その答えを聞いた街中の人は、瞬く間にサンタさんの周りから消えてしまいました。

しかし、一人の少年だけは、残りました。

「きみは、帰らないのかい?」

とサンタさんは、その少年に尋ねました。

「うん、だって、プレゼントがなくても、サンタさんはサンタさんでしょ。」

「そうだね。」

「どうして、サンタさんは、夜にこないの?」

「今、失業中でね・・・それで夜はアルバイトをしているのさ。」

「へぇ~、サンタさんも大変なんだね。」

「今年のクリスマスは、僕がプレゼントを届ける番になったんだ。」

「でも~、サンタさんお金ないんでしょ。」

「うん、まぁね。」

「だったら、ぼくんちでご飯食べていきなよ!」

「ありがとう、君は優しい子だ。・・・でもね。」

「でも?」

「一つだけ、プレゼントを持ってきたんだ、君にあげるよ。」

「え~、本当!!」

「ちょうど良かった、君のスニーカーはボロボロじゃないか。」

「このスニーカー、僕の足にピッタリだよ、どうしてなの?」

「何日か前に、スニーカーが欲しいって、お母さんに言ってたよね。」

「うん、言ったよ。」

「だから、君の足のサイズを調べたんだよ。」

「じゃあ、サンタさんは僕とママの会話を聞いてたんだね。」

「違うよ。君の思いが天まで届いたからだよ。」

3話.天上界の掟とは?

ある街に、あの失業サンタさんがやってきました。

そのサンタさんが現れたのは、またもや昼間でした。

ある少年が駆け寄り、「あっ!スニーカーをくれたサンタさんだね!」

と言いました。

するとサンタさんは、「よく覚えていたね、また会えて嬉しいよ」と言いました。

しかし・・・。

ある男が、サンタさんに向かって、こう言いました。

「おい!嘘つきサンタやろう!!」

そして違う男も、「早くプレゼントを出せよ!」と言いました。

「嘘をつくサンタなんて、最低だぞ!」

「でも、本当に今日はプレゼントを持ってこなかったんだ。」

「そんな嘘には、だまされねぇぞ!」

「そうだ、そうだ、プレセントをもらうまでは、ここを動かないぞ!」

「同じ嘘が、2度も通用すると思ってんのか!」

するとサンタさんは、ちょっと困った声でこう言いました。

「それじゃあ、皆さんにお渡ししますので、1列に並んで下さい」

「一人につき、一個の飴玉を差し上げます!」

「何だよ!飴玉1個だけかよ!!」

「ふざけるなよ!飴玉1個の為に、行列に並らんでられるかよ!」

「冗談じゃない!ったく!帰ろうぜ!」

すると、サンタさんの周りには、誰もいなくなってしまいました。

しかし。

「ねぇ、サンタさん、仕事は見つかったの?」

とあの少年が尋ねました。

「また、きみだけが、残ったようだね。」

「違うよ、プレゼントが欲しくて、残ったんじゃないよ!」

「ああ、わかってるよ」

「ママが編んでくれたマフラー、サンタさんにあげるよ。」

「ありがとう、君は本当に優しい子だね。」

「じゃあ、受け取ってくれる?」

「天上の掟で、僕らは、人から物をもらう事は許されてないんだ。」

「ふ~ん。」

「幸せを与える事だけが役目なんだよ。」

「じゃあ、僕を幸せにしてくれる?」

「ああ、いいよ。」

・・・・・

「サンタさん!マフラーとってもお似合いだね。」

4話.少年との再会

1年ぶりに、あの失業サンタさんが街にやってきました。

今回はどうやら、夜のご登場のようです。

「やっぱり夜は、静かでいいな~」

と思いきや・・・。

「ヒック・・・、上司のバァーロ~・・・、いつもガミガミ言いやがって!」

「・・・・・」

「おい、待てよ!サンタクロース!」

「ちょっと、急いでいるもので。」

「俺に何か、プレゼントをよこせよ!」

「これから、一軒一軒、子供のいる家に行かないと。」

「なんだと~、大人よりも子供を優先するっていうのか!」

「・・・(常識的に考えれば当然でしょ~よ!)」

「酒をよこせよ!」

「じゃあ、これで我慢してくださいね。」

「なんだよ!ウィスキーボンボンじゃねえかよ!!!」

・・・・・

「急いで、プレゼントを配らないと、朝になっちゃうな。」

・・・・・

「この家は、ずいぶんと煙突の中が狭いな~。」

「(スルスルー)、暗くて何も見えないや。」

・・・・・

「プレゼントは、このあたりに置いとけばいいかな。」

「誰なの?そこに誰かいるの?あっ!サンタさんだ!」

「やっべぇ~、見つかっちゃったよ。」

「スニーカーをくれたサンタさんだね!!」

「あの時の少年だね。マフラーはとても重宝しているよ。」

「ねえ、サンタさん。仕事は見つかったの?」

「ああ、昼間ちゃんと働いているよ。」

「良かったー!ずっとずっと心配していたんだよ!」

「ありがとう・・・、もう、次の家に行かなくちゃ。」

「サンタさん、泊まっていきなよ。残りのプレゼントは僕が届けてあげるからさ。」

「でも、そういうわけにもいかないんだ。」

5話.豊かな心とは?

「ねぇねぇ、サンタさん!」

「なんだい?」

「サンタさんの家に、遊びに行ってもいい?」

「ん~・・・。」

「ダメなの?」

「だってね、10万光年も離れた星から、やってきたんだよ」

「10万光年って?」

「この銀河のはずれ位の距離になるかな・・・。」

「そんな遠くから、ソリで来るなんて凄いよね!」

「ソリで来るっていうのは、地球人が勝手にイメージしたものだよ。」

「へぇ~」

「それに、ソリなんかで来たら、一生かかっても地球には辿りつけないよ」

・・・・・

「この宇宙には、たくさんの星があってね。」

「地球だけじゃないんだね。」

「貧しい人々が、いっぱいいるんだ。」

「じゃあ、僕にくれたプレゼント、その人達にあげてよ。」

「君は、本当に優しい子だね、感心するよ。」

「どうして、貧しい人がいっぱいいるの?」

「それはね・・・、気がつかないからだよ。」

「何に気がつけばいいの?」

「既に”ある”って事だよ。」

「子供の僕には、難しくて、よくわからないや。」

「ない物じゃなくて、ある物を探してご覧。」

「優しいママがいる!暖かいベッドがある!」

「いいね、そんな感じだよ。」

「キャッチボールをしてくれる友達がいる!サンタさんがくれたスニーカーがある!」

「・・・・・」

「なんだか、とても幸せな気分になってきたよ。」

「それが豊かな心なんだ。」

「豊かな心だったら、どうなるの?」

「豊かさを引き寄せるんだよ。欲しい物はたいがい手に入るよ。」

「本当?」

「ああ、本当だとも!」

 6話.少年のママにプレゼント

「ママ、知ってる?」

「な~に?」

「あのね・・・、欲しい物が何でも手に入る方法があるんだよ!」

「へぇ~、学校の授業で習ったの?」

「違うよ、サンタさんが教えてくれたんだよ!」

・・・・・

「ない物じゃなくて、ある物を探すんだって・・・。」

「どういう事?」

「例えば、僕の場合だと、優しいママがいる!暖かいベッドがある!」

「じゃあ、ママは、可愛い子供がいる!優しい親がいる!」

「それが、豊かな心なんだって・・・。」

「確かに、ちょっぴり幸せな気分になったわね。でも・・・。」

「でも、なあに?」

「本当にサンタクロースと会ったの?」

「この間、僕の部屋に遊びに来たんだ、本当だよ。」

「そうなの。」

「あのスニーカーも、サンタさんがくれたんだよ!」

「サンタさんがスニーカーを?」

「僕のこと、信じてくれないの?」

「信じているわよ。」

・・・・・

「あっ!サンタさん、また来たんだね!」

「やあ!」

「また、プレゼントを届けに来たの?」

「今日は違う用事で来たんだよ。」

「どんな用事?」

「君のママは、朝から晩まで働いてて、大変だからね。」

「僕のママの事、よく知ってるね!」

「今日は、君のママにプレゼントを持ってきたんだよ!」

「えぇ!本当?きっとママは大喜びすると思うよ!」

「明日、君からママに手渡すといいよ。」

「中には、何が入っているの?」

「開けてからのお楽しみだよ。」 

最後までお読み頂き、有難うございます。

Pocket

      2021/10/14

 - メッセージ